
▲「日本の馬はゲートも世界一」の真相に迫ります(撮影:林真衣)
今回は、競馬において重要な鍵を握るゲート内での補助についてのユーザー質問にお答えします。
海外や地方競馬では、尾持ちやバリアブランケットといったゲート内で馬を落ち着かせる補助が許可されていますがJRAでは認められていません。ファンからは「あってもいいのでは?」という声が聞かれる中、ミルコ騎手は「必要ないと思うなぁ」とポツリ。かつて海外で経験した、“ゲート”による苦い体験を振り返りながら「日本の馬はゲートも世界一」というその真相に迫ります。
(取材・構成=森カオル)
Q「海外では、ゲートに入る際にバリアブランケットを使ったり、尾持ちをしたりしますが、中央競馬では認められていません。これについて、ミルコさんはどう思いますか?」(パパドゥさん)
ミルコ ん〜、どうだろう…。バリアブランケット(馬体がゲートに擦れることを嫌う馬のための毛布)にしても尾持ち(ゲートに難がある馬がきれいにスタートできるように、ゲートの外から厩務員などが尾を引っ張ったり持ち上げたりなどの補助行為)にしても、僕はあんまりJRAでは必要とは思わないなぁ。だって、日本の競走馬はゲートも世界一ですよ。馬がゲートに入らないことについては厳しい指導があるけど、海外に比べると、ゲートに入らない馬の数が圧倒的に少ないからね。
──躊躇する馬はよく見かけますけどね。
ミルコ でも、ほとんどの馬が最後は入る。海外の馬なんて、一度「入りたくない!」っていうスイッチが入っちゃったら、絶対に入らないよ。毎競走とは言わないけど、たとえば1日10競走あるとしたら、そのうち8競走くらいはゲートに入らない馬が絶対に1頭はいる。
──8割! そんなにいるんですね。
ミルコ 本当にそうだよ。そういう馬は、「入らないなら今日は走らなくていいです」ということで、すぐに競走除外になっちゃう。日本の場合、