こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、小倉競馬場で行われる小倉記念(GIII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
外枠から捲り差しできるタイプが狙いやすい
2020年以降8月の小倉開催開幕週に行われていた小倉記念だが、昨年は中京開催と入れ替わったことにより中京芝2000mで施行。そして今年からは小倉と中京の開催時期を本格的に変更したことにより、3週間繰り上がって小倉開催の最終日の施行となった。
2011年以降は全て開催初週か2週目の施行となっていて、夏の小倉開催らしく馬場が速い状況でレースが行われることが多く、コース形態的にもポケットスタートで1コーナーまでの距離が長いのでペースが上がりやすい。加えて向正面から下る影響でスパート位置も早くなりやすいため、勝ち時計が1分57秒台の高速決着になることも何ら珍しくないレースとなっていた。
とはいえ馬場が速い分先行意識も高くなりやすく、コース形態からペースも流れるので前が止まりにくいようなレースも起こりにくかったわけだが、今年からは開催最終日に行われるということで、これまでよりも馬場が荒れて時計が掛かりやすい状況でのレースになる可能性が高い。
時計が掛かるとその分外を回る不利も少なくなるので、素直に考えると外枠から捲り差しできるタイプが狙いやすい。
また、先週の七夕賞のコラムにも書いたように、七夕賞と連続週での開催となったことで七夕賞→小倉記念のローテーションが実質的に消滅。過去10年の出走馬133頭中31頭がそうだったように、サマー2000シリーズの後半の色が強かったが、今年からはシリーズ初戦として使ってくる馬が大多数になる。
前走七夕賞の馬は過去10年で3勝を挙げていたように全く走っていないわけではなかったが、複勝回収率62%とあまりいい結果が出ていたとは言い難かった。好走した5頭はすべて七夕賞5着以下だったように、ハンデ戦で前走の着順が良いと斤量を積み増される上、着順が良い分人気にもなると、いかにも危険なパターンで嫌いやすくはあったのでその分難しくはなる。
それとは逆に今年からレース間隔が詰まった上、昨年まで6月に開催されていた鳴尾記念が12月に移動したことでこれまでほとんどなかった目黒記念からのローテーションは増えそう。開催最終週で時計が掛かる馬場になる可能性が高くなり、距離短縮ローテの馬はこれまでよりも走りやすい条件になるだろうし、レース格的にも格下げローテになるのでこれから狙い目になるかもしれない。