こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、新潟競馬場で行われるレパードS(GIII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
近年における変化とは?
新潟ダート1800mは正面直線からスタート。1コーナーまでの距離が389mとダートコースとしては平均からやや長いくらいの距離があり、最後の直線コースも353.9mとダートコースとしては長く、直線を走る距離が長いコース。他場のダート1800mコースと比較しても、最も直線部分が少ない京都が615m、2番目に長い中京が701mとなっている中、新潟は742mと抜けて多いことが分かる。
その分コーナー部分を走る距離は最も少なくなるということで、必然的にコーナーの角度がきつく減速度合いが大きい。それによって他場に比べてギアの上げ下げの巧拙が問われやすく、大型馬が有利になりやすいダートコースだが500キロを大きく超えてくるような馬は成績が上がっていない。それに伴い他場に比べ牝馬も走りやすいコースと言える。
レパードS単体に関して近年における変化と言えば、3歳ダート路線の整備によってジャパンダートクラシックという3歳限定戦の大きな目標が新たにできたことだろう。一昨年まではレパードSがダートグレード競走では最後の3歳限定戦だったが、路線整備に伴って9月に不来方賞が新たに前哨戦として行われることになった。
それによって賞金加算を目論む陣営も選択肢が増えたため、それまでに比べてメンバーの分散が見込まれる。実際本番とのレース間隔が詰まることを除けば、1着賞金も高い上にJRA枠5頭で賞金を稼げる可能性が高い不来方賞の方が、出走枠に入る公算が高い馬ならば選ぶインセンティブは大きい。
そんな中、変更初年度の昨年は1着ミッキーファイトが前走ユニコーンS、2着サトノフェニックスと4着バロンドールが前走UAEダービー、5着ハビレが前走東京ダービーと、早い時期に勝ち上がって重賞路線で戦ってきた馬が上位のほとんどを占めた。
少しいびつな出走体系になっているダート三冠路線はレースによって価値がまちまちだが、基本的には重賞で走ってきているような馬が力的にはやはり強いというのが昨年の結果からも分かる。
とはいえ出走馬が分散してメンバーレベルが薄くなることにより、遅れて勝ち上がってきたタイプにとってもこれまで以上にチャンスが出てくるのでは。
特に今年はユニコーンS上位組が出走せず、リステッドを勝ってきた馬も少頭数のスローペースと今回に繋がるかは疑問で、初ダートのヴィンセンシオが人気を集めそう。2勝クラス勝ちも2頭だけと多くないことを考えても、例年以上に混戦の戦いになりそう。