フランス・ドーヴィルに本社を置くアルカナ社より、netkeibaの読者の皆様だけに限定のコラムをお送りいたします。
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ドーヴィル開催── 名馬が集うハイレベルな1ヶ月
毎年8月、フランス北西部の海辺の街ドーヴィルは夏競馬の中心地として賑わいを見せます。世界中から名馬、名騎手、名調教師が集う「ドーヴィル開催」は、その歴史を1863年までさかのぼりますが、以来、国際的な競馬イベントが多数開催され、夏のリゾート地・ドーヴィルの象徴として親しまれてきました。16日間の開催期間中には、19の重賞レースが行われ、そのうち5レースがG1という豪華なプログラムが組まれています。
中でも注目のレースの1つが、8月24日(日)に開催されるG1モルニー賞です。フランスの競馬カレンダーでは開催時期が最も早い2歳G1レースですが、ここから将来のスターホースが多数生まれています。
さらに、古馬と3歳のトップマイラーが激突する舞台となるG1ジャックルマロワ賞も、見逃せない一戦です。近年の勝ち馬には、ドバイミレニアム、ドバウィ、ゴルディコヴァ、キングマン、ミエスク、そして2020年と2021年のこのレースを制したパレスピアなど、数々の名馬が並んでいます。1マイル(1600m)を舞台とした戦いで、日本でいえば「安田記念」に相当するレースと言えそうです。
日本馬にとってのドーヴィル── 挑戦と栄光の地
ドーヴィルは長年にわたり、日本馬にとっても特別な舞台となってきました。1998年、シーキングザパールがモーリスドゲスト賞を驚異のレコードタイム(1分14秒70)で制覇。同年にはタイキシャトルがジャックルマロワ賞で見事な勝利を飾り、日本競馬の存在感を世界に示しました。
そして今年も、日本からの遠征馬たちが再びこの伝統の舞台に挑もうとしています。8月17日(日)に行われる今年のジャックルマロワ賞には、新谷功一厩舎のゴートゥファースト、黒岩陽一厩舎のアスコリピチェーノが出走を予定しています。
また、田中博康調教師が手がけるアロヒアリイも、8月16日(土)に行われるギヨームドルナーノ賞に出走を予定しています。その結果次第で、秋の大一番「凱旋門賞」への道も開けるかもしれません。
日本の競馬ファンの皆様にとって、例年以上に見逃せないドーヴィル開催になりそうです。