
▲鹿戸雄一調教師にお話を伺いました(撮影:下野雄規)
9月28日、中山競馬場で行われる第59回スプリンターズステークス。秋のスピード王決定戦に、悲願のGIタイトル獲得を狙う人馬、三浦皇成騎手とウインカーネリアンのコンビが挑みます。
今年8歳となるウインカーネリアン。昨年からスプリント路線に矛先を変えると、今年のG1・アルクオーツスプリントで半馬身差2着。年齢の衰えを感じさせない走りを今も見せてくれています。しかし、ここまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。そんな同馬を“相棒”と称する鹿戸雄一調教師に、ともに叶えたい悲願や“7歳のスプリント転向”のワケを伺いました。
(取材・構成=小野響介)
「皇成はウインカーネリアンのことを一番知っているジョッキーですから」
──今年は4月のG1アルクオーツスプリントで、勝ち馬と半馬身差の2着に好走するなど、8歳となっても衰えを見せないどころか未だ成長を見せているように感じます。改めて前々走とドバイ遠征全体を振り返っていただけますか?
鹿戸 レースに向かうまでの体調は良かったし、海外への輸送も問題なくクリアしてくれました。最終追い切りも(三浦)皇成が乗ってすごくいい動きをしていました。今回は23年ドバイ(ゴドルフィンマイル6着)、アメリカ(BCマイル11着)に続いて3度目の海外遠征だったけど、これまでと比較して一番と言ってもいいくらい体調は良かったですね。レースはあと少しで、結果は残念だったけど、直線競馬でもカーネリアンの走りはできたと思うし、力は示してくれました。8歳でこれだけ頑張ってくれて頭が下がる思いです。

▲アルクオーツスプリントではタイトルまであと一歩の2着(撮影:高橋正和)
──その後は休養を挟み、始動戦となったキーンランドC。この馬らしくハナを切っての競馬をして5着でした。前走を振り返っていただけますか?
鹿戸 休み明けだったし、レースでは逃げたものの、スタートしてすぐに外から他馬に並ばれて終始プレッシャーをかけられる形でした。その辺はきつかったと思います。ペース以上に競馬の形として厳しかったですね。その中でも