こちらのコラムでは、俺プロ出身のYUTA氏が当週の重賞有力馬を診断。「あり」か「なし」かの2択でジャッジします。
今週YUTA氏が注目したのは、中山競馬場で行われるスプリンターズステークス(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
ペースも鍵に
まずはコースの特徴について。
中山芝1200mは外回りコースの向正面からのスタートで、スタートから500mほどで約4m下ることもあって前半からハイラップを刻みやすくなっており、また、直線では急坂も待ち構えているので、上級条件では特にスピードとパワーが高いレベルで問われるコースとなっている。
次にレース傾向について。
良好な馬場状態で行われて速い時計での決着になることが多いこともあり、ロスなく立ち回りやすい内枠有利の傾向が顕著となっている。
上の表は過去10年の枠番別成績をまとめたものだが、見ての通り1〜4枠と5〜8枠では好走率に大きな差があり、5〜8枠も3着以内好走馬は8頭いるが、その内5頭が3角5番手以内で距離ロスを最小限にして立ち回っていた馬であった。
つまり、外枠の差し馬にとっては非常に厳しいレースとも言え、5〜8枠で3角6番手以下に位置していた馬は過去10年で[2-0-1-47]と不振が目立っており、かなりのハイペースや外差し傾向が強い馬場にならない限り、基本的には評価を下げるのが得策となりそう。
また、上で述べたように前半からハイラップを刻むという1200m戦らしい展開になりやすいこともあってか、父か母父がサンデーサイレンス系である馬の成績が今ひとつで、過去10年で3着以内好走馬が17頭と一見多いように思えるが、前後半で1秒以上の前傾ラップだった年に限ると、半分以下の8頭にまで減ってしまっている。
これは前半から速いペースで流れることで、サンデーサイレンス系の強みである瞬発力が生きにくくなるということが主な要因だが、裏を返せばペースが落ち着くとサンデーサイレンス系が強さを発揮しやすくなるとも考えられる。
現にスプリントGIとしては珍しい後傾ラップとなった2015年と2017年は、連対馬4頭全てが父か母父サンデーサイレンス系の馬であったように、ペース次第で傾向が一変してくるので、展開読みが特に重要になってくるということは頭の中に留めておきたい。
【上位人気想定馬ジャッジ】