こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、京都競馬場で行われるマイルチャンピオンシップ(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
4歳馬を狙うのが合理的
京都芝1600mは、マイル戦ではあるが京都外回りコースらしく3コーナー手前の上り坂でペースが緩んで息が入りやすいのが特徴。そして残り800m辺りから坂を下りながら加速して直線へ向かうことになるので、レースの質はどちらかというと中距離に近い。
春のマイルGIが開催される東京芝1600mはコース形態的にはコーナー角が緩くてペースが緩みにくいが、差しが決まりやすい馬場造成となった近年はそもそも前残り狙いの先行馬が出走してこなくなったので、特に安田記念はペースが流れずに中距離チックな末脚が求められることが多くマイルCSと直結性が以前より強くなった。
そのため、同年に安田記念か、間隔的にちょうど良く近年最重要前哨戦となっている毎日王冠を使っている馬が2018年から全て連対圏を独占。近10年でそうならなかったレースも2016年はミッキーアイルの大斜行で力を出せなかった馬が多数、2017年は3歳馬が上位4頭の内3頭を占めたようにイレギュラーだった。回収率的にも、単勝50倍以上の全く人気のない馬を除いた52頭をベタ買いで近10年単複共に107%となっているので基本的にはこのラインを狙っていくのがベター。
ただこの路線の変遷について考えると、マイル路線で長く走っているソウルラッシュが初めてGIに挑戦した2022年安田記念の上位2頭がソングライン・シュネルマイスターだったわけだが、そこに3歳で4着に来たセリフォスを加えた3頭でソングラインとシュネルマイスターが現役を退く翌年まで路線を牽引。
そして23年マイルCSでワンツーしたナミュールとソウルラッシュが翌年安田記念はロマンチックウォリアーに阻まれながらも2・3着。マイルCSはナミュールが状態整わず大差負けでもソウルラッシュが圧勝と、強い馬が抜けて行った後が埋まらないような状況になっていた。そして春の安田記念では4歳のジャンタルマンタルが快勝したが、2着は6歳のガイアフォース、3着は7歳のソウルラッシュと勝ち馬以外は昨年とほぼ同じメンバーが上位だった。
なぜこういった事態になっているかというとひとえに5歳馬が不甲斐なくて突き上げが少ないためで、今年の芝1600〜1800mの芝重賞の成績を見ても年長馬にすら劣っている。
年末が近づいてきて6歳以上の馬は衰えがあってもおかしくない、5歳馬は不甲斐ないとなれば、まだ成長の見込める4歳馬を狙うのが合理的。中でもあまり変わり映えのしないメンバーだった安田記念で負けた馬よりは、別路線から来ている馬の方を評価したい。