「有利な馬がすぐ分かる 競馬場コース事典2」著者である馬ノスケと「芋づる式に期待馬を見抜く! レース回顧の新常識」著者であるヨメウマによる今週のメインレース展望。コース適性とレース回顧のコラボレーションから出走馬をチェックする。
ヨメウマ(以下、ヨメ)「まずは、先週のジャパンCですが、お互い的中とのことで、おめでとうございます!」
馬ノスケ(以下、ノスケ)「対談コラムでも注目馬に挙げた馬や海外馬カランダガンにも触れられたので、お役に立てていれば嬉しいですね」
ヨメ「ちなみに、対談コラムは現在3連勝中なので、今回もいい話が出来るよう頑張りましょう! それと、馬ノスケさんが先週発売した書籍が、Amazonランキング1位を獲得したということで、こちらもおめでとうございます! ということで本題に入ります」
ヨメ「まずはチャンピオンズカップが行われる中京ダート1800mの傾向について教えてください」
ノスケ「まずこのコースですが、3.4コーナーがキツいスパイラルカーブとなっていて、下り坂やバンク(傾斜)の影響で、外を回すロスが非常に大きくなりやすく、内枠有利が強い舞台です。このチャンピオンズCでも内有利の傾向が強く出ています」
【チャンピオンズC過去10年】
1〜3枠 (6-3-7-41/57)
勝率10.5% 連対率15.8% 複勝率28.1%
単勝回収率151% 複勝回収率111%
6〜8枠 (2-4-2-51/59)
勝率3.4% 連対率10.2% 複勝率13.6%
単勝回収率28% 複勝回収率69%
ヨメ「ありがとうございます。内枠でも馬群や砂被りを苦にしない馬なら、更に有利になる舞台なので、その辺りでも馬個々の判断が必要かもしれませんね。続いて血統傾向などはあるのでしょうか?」
ノスケ「はい、ダート戦は基本的に後半消耗戦になりやすいのですが、このコースは直線で加速ラップが踏まれやすい影響で、芝向きな血統が走りやすくなっています。注目はサンデーサイレンス系の血で、2022年は父か母父にサンデーサイレンスの血を持つ馬が馬券内を独占。2021年も1・2着馬が母父サンデー系でした。直近2年は好走馬が全く同じなので、この傾向には合致していませんが、2年連続好走したドゥラエレーデはサンデーサイレンスの血をクロスしているので、やはりサンデー系など芝向きな血統には注目です」
ヨメ「私も同意見でして、中京のダート1800mは3コーナーから下り坂になるので、後半のタイムが速くなりやすいので、芝向きなスピードが必要と考えています」
ノスケ「ありがとうございます。では注目馬の話をしていきます」
ノスケ「まずはお互い被ったアウトレンジについて、前走みやこSで負けていますが、回顧目線でも評価が出来るということでしょうか?」
ヨメ「はい、みやこSは特殊なレースで、不良馬場で12秒台前半のラップが連発するような超高速展開でした。少しでも外を回す競馬になると不利が大きいレースとなりますが、アウトレンジは1・2コーナーと3・4コーナーでどちらも外を回す不利を受けながら7着なので、回顧目線でも評価が出来る内容でした」
ノスケ「確かに、みやこSはかなり特殊条件でしたから、それだけ負荷が大きい中で7着は強いと言えそうですね。能力的にも特に帝王賞の内容が強いと考えているのですが、いかがでしょうか?」
ヨメ「このレースに関しては、相手が現在日本のダート馬でフォーエバーヤングに次ぐ2番目に強いであろうミッキーファイトとタイム差なしで2着は高く評価できる内容でした。馬ノスケも注目馬にあげていますが、適性面でも評価できるということでしょうか?」
ノスケ「そうですね。この馬は比較的揉まれ弱い馬が多いA.P.Indy系の産駒で、この馬自身スムーズな競馬を得意としていましたが、帝王賞では馬群で揉まれる競馬でも苦にせず、ミッキーファイト相手にタイム差なし2着という内容は高く評価しています」
ヨメ「中京コースではロスなく馬群を苦にせず立ち回ることが重要なので、この経験は中京でも活かせそうですね」
ノスケ「それと、帝王賞のラップや上がり時計的にも、中京の加速ラップに対応可能と思うので、広いコースの方がベストですが、中京コースへの対応力も水準以上と考えています」
ヨメ「ありがとうございます。次に1番人気想定のナルカミについて聞いてもいいですか?」
ノスケ「はい、この馬に関しては適性面より能力面を評価しています。父サンダースノーはドバイWCを連覇した馬で、母系も体力豊富なドイツ血統を持っています。地方の2000mで強い内容を消化しているように、ベストは2000m以上で体力を活かせる条件でしょう。それでも前走のジャパンダートクラシックの内容が相当強く、今回のメンバーなら上位と考えました。ヨメウマさんが推奨しなかった理由はどこにあるのでしょうか?」
ヨメ「馬ノスケさん同様、能力面は高く評価しています。ジャパンダートクラシックの1000m通過時計が60.2秒、走破時計が2:03:7。今年の帝王賞も似たような展開だったので、タイム比較でミッキーファイトに迫れるだけの馬と考えることができます。なので能力は相当高いと考えています。今回評価を落としたのは、テンの速さがダブルハートボンドの方が速いので、2番手になった時のリスクとオッズとの天秤で推奨しきれないという判断になりました」
ノスケ「おっしゃる通りで、逃げられなかった時のリスクがあるので、ピンパー要素が強い馬ですよね」
ヨメ「馬券的には押さえようとは考えていますが、軸としてはリスクの方が大きい一頭かなと考えています」
ノスケ「ありがとうございます。それでは、次にヨメウマさんが注目しているサンライズジパングについてお聞かせください」
ヨメ「この馬はフェブラリーSまで強い競馬をしていたのですが、その後転厩。好走はしていますが、依然と比べて見劣る内容が続いていました。転厩の影響やタフな地方が合わなかった可能性もあります。2走前の南部杯に関しては、距離が明らかに短かったので見直せる内容です」
ノスケ「なるほど。ちなみに、また転厩になりますが、その辺りはどう考えていますか?」
ヨメ「今回は転厩初戦になりますが、もともと音無厩舎にいた助手さんが今回の前川厩舎で担当になるとのことで、状態を上げてくる可能性があります。後半の末脚に長けた馬で、昨年のチャンピオンズCは大外回して6着とかなり強い内容で走っています。もっている能力はGIレベルの物を感じているので、狙うなら人気を落とすこのタイミングかと思います」
ノスケ「癖の強い馬ではありますが、この手のタイプは人気薄の時に狙いやすい馬なので、非常に楽しみな一頭になりそうですね」
ヨメ「はい、大穴ですので来たら大きいですし楽しみです」
ヨメ「まとめますと、このコラムからは、注目馬の被ったアウトレンジが推奨となります。前走の負けで人気も多少落としそうですし、外過ぎない枠が欲しいところです。今週もありがとうございました!」
ノスケ「対談コラム4連勝目指しましょう! ありがとうございました!」
※枠やオッズなどを含め、直前情報によっては印が変わることもあります。両者の最終見解は「ウマい馬券」内で掲載されますので、以下のボタンからご覧ください。