
▲鈴木伸尋調教師にお話を伺いました(c)netkeiba
12月14日、阪神競馬場で行われる阪神ジュベナイルフィリーズにミツカネベネラと津村明秀騎手のコンビが参戦します。このコンビを送り出す、津村騎手の師匠であり同馬を管理する鈴木伸尋調教師にお話を伺いました。
ここまでのミツカネベネラとの道のりは決して平坦ではありませんでした。「生死に関わることもある」という病を乗り越えてきた舞台裏が今、明かされます。
また2004年の津村騎手のデビューから、今でも変わらない師弟関係にも言及。愛ゆえに「指導がきつすぎたかなと反省…」と漏らす、過去のエピソードも赤裸々に話していただきました。
(取材・構成=和久時秋)
「阪神へ行きましょう」鞍上が掴んだ手応え
──前走のアルテミスSでは9番人気ながら2着と好走しました。改めて振り返っていただけますか?
鈴木 新馬の時もそうでしたが、走りや気性はまだすごく幼いのです。「しっかりしてくるのはまだまだ先だろうな」と思う一方で、予想外の結果に驚かされています。距離はこなせると思っていたのですが、勝ち馬からも離されず、いきなりの重賞挑戦で力が通用することを示してくれました。力試しのつもりで送り出したアルテミスSでしたが、いい意味で裏切られましたね。レース後すぐに津村(明秀騎手)が「(次は)阪神へ行きましょう」と言ってくれたので、彼も手応えを感じていたのだと思います。
──勝ち馬がレース後に引退を発表しました。レース後のダメージなどは問題なかったですか?
鈴木 そこは大丈夫でした。問題もなく、ここまで順調に来ています。1週前が実質最後の追い切りでしたが、いい動きをしてくれました。

▲アルテミスSは2着に好走(ユーザー提供:ミスタールドルフさん)
──この馬に初めて会ったのはいつですか?
鈴木 生まれて2、3ヶ月経った頃です。オーナーから電話がかかってきて、