「有利な馬がすぐ分かる競馬場コース事典2」著者である馬ノスケと「芋づる式に期待馬を見抜く! レース回顧の新常識」著者であるヨメウマによる今週のメインレース展望。コース適性とレース回顧のコラボレーションから出走馬をチェックする。
ヨメウマ(以下、ヨメ)「今週は2歳GIの阪神JFということで、あっという間に2歳GIで、このコラムも12回目となります! 今週も結果を出せるよう頑張りましょう」
馬ノスケ(以下、ノスケ)「あっという間に年末の足音が、、今週もよろしくお願いします」
ヨメ「それでは早速、阪神JFの傾向について教えてください」
ノスケ「はい、このレースはGIということでメンバーも揃い、短距離路線からの延長馬も多数参戦する関係で、ペースが流れやすいレースとなります。キャリアの浅い2歳戦なので、これまで以上に淀みない流れに対応する追走力が重要になります。そのための筋肉量が重要で、血統ならDanzigの血が有効にはなりますが該当馬が多いので、今回は筋肉量=馬体重という視点でデータを持ってきました」
【過去10年の阪神JF 馬体重別成績】※京都開催除く
460キロ以上 (9-3-4-47/63)
14.3% 19.0% 25.4%
459キロ以下 (0-6-5-86/97)
0.0% 6.2% 11.3%
ノスケ「このように、馬体重の大きい馬の方が優勢で、小柄な馬からは過去10年で勝ち馬が出ていません」
ヨメ「阪神JFは2019年くらいからタイムが速くなりましたよね。馬体重も関連性が高そうで、興味深いデータです。ちなみに、馬場状態などは特徴あったりしますか? 」
ノスケ「今の阪神は、高速馬場でも速い上がり性能より、速いペースを追走して持続的に脚を使えるような馬が好走していて、極力ロスなく内を立ち回った馬が恵まれやすくなっています。先週通りなら枠順なども重要になると思っています」
ヨメ「となると、想定1番人気のアランカールは苦戦しそうなイメージですかね? 」
ノスケ「はい、アランカールは父エピファネイアに母はオークス馬のシンハライト。更にはSadler’s Wellsクロスから体力や底力を補填した血統構成で、デビュー2戦を見てもゲート難や追走力不足が露呈しているので、追走力が必要な今の阪神の多頭数戦だと差し遅れる懸念はあります。ヨメウマさん的には能力など、どうお考えですか? 」
ヨメ「阪神JFの走破タイムや上がり3Fを踏まえると、野路菊Sの内容であれば能力は足りると考えています。例えば走破時計1:33:9以内かつ上がり33.9秒以内を計測した馬は、アスコリピチェーノ、アドマイヤマーズ、ダノンプレミアム、イズジョーノキセキしか該当せず、内3頭は2歳GIを勝っているので、この馬の能力は評価しないといけないと考えています。ただ、小頭数しか経験していませんし、出遅れリスクなど課題も多いので、人気しますが軸向きではないと考えてます」
ノスケ「ありがとうございます。素質の高さは評価しつつも、やはりリスクが大きい印象ですよね。あのナミュールでさえ、このレースを出遅れて4着に凡走していますから」
ヨメ「それと、前走の後に骨瘤(こつりゅう)を発症して脚が腫れていたそうで、回避濃厚と言われていた程でした、状態が万全ではない可能性も考慮したいですね」
ノスケ「なるほど。人気では尚更リスクが大きそうですね。では次に、お互いの注目馬について話していきましょう」
ノスケ「今回タイセイボーグをお互い評価していますが、ヨメウマさんの評価ポイントを教えてください」
ヨメ「アルテミスSは内枠から出遅れて、直線も内から伸びる競馬でした。このレースはラスト2Fが(11.3-11.4)と速く、勝ち時計も速かったので、負けましたがポジション差が大きく、実際そこまで差のない内容でした。特に評価しているのが新潟2歳Sです。メンバーの強いハイレベル戦で、勝ち馬リアライズシリウスが強すぎたので離された2着となっていますが、フェスティバルヒルには先着しており評価できる一戦です。重賞馬がいない今回のメンバーなら、強い相手と戦ってきた経験もアドバンテージになりますので、評価ポイントとしています。馬ノスケさんは適性面で評価されているのでしょうか? 」
ノスケ「はい、能力も評価しつつ適性でも高く評価しています。阪神JFで穴を空けたシンリョクカ、ドゥアイズ、ラブリイユアアイズ、マルターズディオサの共通点として、NureyevかSadler’s Wellsに加えてMill Reefを持つ血統構成でした。つまり、欧州的な底力と末脚を伝えた形で、タイセイボーグもこの血統を持っているところを評価しています。この馬自身伸びのある末脚を使えるので、前走みたく出遅れなければ好勝負可能と考えています」
ヨメ「前走はスタート時によそ見して出遅れただけで、普段はゲート出るタイプなので、個人的にはあまり割り引いてはいません。あとは極力内の枠が欲しいところですね。適性面も評価できて、お互い推奨馬被りということで、かなり期待できる一頭ですね」
ヨメ「では次に、馬ノスケさんが推奨されているミツカネベネラについてお聞かせください」
ノスケ「この馬の母ナスカザンがダート3勝馬で、パワー豊富な血統構成には映りますが、母系の父の持つRivermanとTom Fool+Princequillo+Count Fleet辺りから、末脚を伸ばせるというのがポイントです。RivermanはMill Reefとニアリーイコールの関係になるので、タイセイボーグのところで触れた注目の血統構成にも該当します。阪神の末脚勝負では限界こそあるタイプですが、同じようなタイプのシンリョクカでも好走できるレースですし、今年は重賞勝ち馬不在のメンバー構成になるので、チャンスは十分あって良いと思っています」
ヨメ「ありがとうございます。私もこの馬の新馬戦は高く評価していて、アルテミスSはフィロステファニに力負けでしたが、重賞勝ち馬がいない今年のメンバーならチャンスがあって良さそうなので、相手候補で考えています」
ノスケ「ありがとうございます。では次に、ヨメウマさんが注目しているヒズマスターピースについて聞いてもいいですか?」
ヨメ「この馬は、前走の赤松賞を評価していて、ラスト4Fが45.8秒という好時計で走っています。ラスト4Fに加え、走破時計1:35:0以内で絞ると、ヒズマスターピース、マピュース、エコロブルーム、チェルヴィニア、ボンドガールということで、ヒズマスターピースのパフォーマンスが高かったことが分かります。距離が伸びていい走法をしていますし、ここで好走しクラシックを狙っていけたらと考えていますね」
ノスケ「ありがとうございます。あまり人気もないと思うので、面白そうですね」
ヨメ「それではまとめると、想定1番人気のアランカールはお互い評価しきれず、お互い推奨しているタイセイボーグを対談コラムの注目馬とします。今週もありがとうございました」
ノスケ「ありがとうございました!」
※枠やオッズなどの直前情報によって、指数は変動します。最終見解は「ウマい馬券」内で掲載されますので、以下のボタンからご覧ください。