ナリタブライアンが牡馬三冠を達成した94年クラシック世代の馬に
エイシンワシントンという短距離馬がいた。
エイシンワシントンは1200メートル戦が得意で
ダッシュ力に優れ、すぐトップスピードが出る逃げ馬。
ところが、エイシンワシントンという馬は
いつも休養は故障休養だった。いつも壊れるまで使われる。
使い方も尋常じゃなかった。
もちろん、さまざまな人の思惑があって
結果として壊れただけだろうが、
なんでこうなっちゃうの?といつも思っていた。
自分は当時、職場の上司と折り合いが悪かった。
そんな自分にエイシンワシントンを重ねていた。
周囲には嫌な人間もいる。
だけど、輝くときがきっと来る。
あんな酷い上司のもとでも
エイシンワシントンは輝いているじゃないか、と。
そして96年の冬、エイシンワシントンにチャンスが訪れる。
休養明けのマイルチャンピオンシップを3着し連闘のCBC賞も1着。
そして迎えたスプリンターズステークス
私はフラワーパークとエイシンワシントンの馬連を持っていた。
ゴールで2頭が飛び込む、どっちなんだ・・・
馬券的には、どっちでもいい。
けど、私は中山競馬場で叫んだ
「ワシントン、勝ってくれ!勝たないと、つぶされるぞ!」
長い写真判定の末、勝ったのはフラワーパーク
騎手は田原。彼には華があった。
だから、ではないだろうが、勝利の女神は彼に微笑んだ。
エイシンワシントンは2着。残酷なまでの明暗であった。
中山の大歓声の中でとんでもないこと口走った私。
思わず叫んだ言葉は実現しないでくれ・・・
来年のGIでタイトルを取ってくれ
そう願った。
だが、嫌な予感は的中してしまうもの。
翌年1月、エイシンワシントンはOP特別に出走するための
追い切りで大怪我をして引退。種馬になれたのが救いだったが
最後まで故障とは、なんとも切なかった。
私は競馬の、馬だけじゃなくさまざまな人が絡んだドラマが好き。
もちろん、嫌な思惑もある、一ファンとして納得できないこともある。
そういうことも含めて競馬はドラマだと思っている。
納得できないならその馬の馬券は買わなければいい。
他のスポーツと違い、それが出来るのは競馬ファンの特権だと思ってる。
けど、そういう馬ほど好きだったり、ちょっと矛盾しているかもね。
はじめまして。麦茶です。関東40代男性です。競馬予想は穴党です。時に大穴馬に◎してレース前、そんなの来ない、と言われたのが本当に1着に来たりして予言者になる?時が楽しくて競馬続けて...
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