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世界レベルの良血馬ムーンレスナイト

  • 2006年10月31日(火) 23時48分
トウカイグレイト(牡 栗東・松元省一 父マンハッタンカフェ、母トウカイテネシー)
 母トウカイテネシーは現役時代2勝の下級条件馬だったが、名馬トウカイテイオーの全妹という良血。繁殖牝馬としてはまだこれといった産駒を出していないものの、いつでも大物を出せるポテンシャルを秘めている。本馬の父はマンハッタンカフェ。新種牡馬の勝ち星ランキングで現在アドマイヤコジーンと並んでトップを走っている。2400m向きのクラシック配合だ。

パイクーニャン(牝 栗東・領家政蔵 父フレンチデピュティ、母パイアン)
 母パイアンは現役時代、500万条件から3連勝して臨んだセントウルS(GIII)で2着(カルストンライトオ、テンシノキセキなどに先着)となった快速馬。かなりの素質馬だったので、繁殖牝馬としても期待がかかる。本馬はその初子。スピードを損なわない好配合だ。気性難さえなければ短いところで出世しそう。

ムーンレスナイト(牡 美浦・藤沢和雄 父Danehill、母Quarter Moon)
 母Quarter Moonは、2歳時にアイルランドのモイグレアスタッドS(G1)を快勝し、3歳時には愛1000ギニー(G1)、英オークス(G1)、愛オークス(G1)で2着となった実力馬。本馬がその初子となる。父はこれがラストクロップとなるデインヒル。母がサドラーズウェルズ産駒のG1馬で、父がデインヒルという配合パターンはHoratio Nelson(05年ジャンリュックラガルデール賞-G1)と同じ。1800〜2000mベストの芝馬だろう。

ユウターヴェール(牡 美浦・国枝栄 父トウカイテイオー、母タカイロドリゴ)
 母タカイロドリゴは血統こそ地味ながら能力の高い繁殖牝馬で、過去にマイネルソロモン(04年スワンS-GII・2着)、マイネルアンブル(02年京都新聞杯-GII・3着)などの産駒を輩出している。本馬はトウカイテイオー産駒なのでマイネルソロモンの全弟にあたる。厩舎も同じ(国枝栄厩舎)なので、仕上げ方のコツを掴んでいるのは心強い。兄のような気性にならないための策は講じるはずだ。

エイジアンウインズ(牝 栗東・藤原英昭 父フジキセキ、母サクラサクII)
 ベンジャミンS(OP)を勝ち、ダービー、菊花賞にも出走したパッシングマーク(父エルコンドルパサー)の半弟。「フジキセキ×デインヒル」という組み合わせなので1600〜2000mあたりを得意とするタイプだろう。ダートもこなすが本質的には芝向き。母系にMr.Prospectorを持つフジキセキ産駒からはカネヒキリ(05年ジャパンCダート-GI、06年フェブラリーS-GI)、テンシノキセキ(03年セントウルS-GIII)をはじめ多数の活躍馬が出ている。

コンジキノシシオウ(牡 美浦・国枝栄 父カリズマティック、母リンデンリリー)
 母リンデンリリーはエリザベス女王杯(GI)の勝ち馬で、半姉ヤマカツリリーはフィリーズレビュー(GII)を勝ち、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)2着、秋華賞(GI)3着など優秀な成績を残した。本馬の父はカリズマティック。芝よりもダートに向いた種牡馬だが、姉ヤマカツリリーもティンバーカントリー産駒ながら芝で活躍したので、ダート向きと決めつけることはできない。芝・ダート兼用の中距離馬だろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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