ほぼ路線を同じくしてきたダイワメジャーとダンスインザムードの今年対戦した5戦全て、ダイワメジャーに軍配が上がりました。
この牡牝のGI馬の対決は、マイルCSが一番の名勝負でした。この同期の2頭は、平成16年の皐月賞馬と桜花賞馬。その後の1年間はそれぞれが低迷を続けていたのが、今年に入ってから、再び本領を発揮するという、似たような蹄跡を辿ってきました。
第1回ヴィクトリアマイルで甦ったダンスインザムードは、夏はハリウッドパークのG3戦を勝ってうっぷん晴らしをし、あとは戦う場が牡馬相手のGI戦と定め、そこに立ちはだかったのがダイワメジャーでした。
一方のダイワメジャーの方から言うと、目標とするところにいつもいた牝馬がダンスインザムードだったということです。
どちらをドラマの主役に持っていくかで見方は異なります。ですが、結果はワンサイドであろうとも、マイルCSは、これまでの中で一番の名勝負でした。
レースを検証するには、ある意味では敗者の弁が一番だと思っていますが、武豊騎手の「すべてがうまくいった。あのペースで勝つんだから強い。ダイワメジャーが出ないレースがいいよ」との言葉から、その戦いがどうであったかが分かります。
ダンスインザムードの次は香港マイルになりそうです。うっぷん晴らしは、海外でなんですね。
そして、一方のダイワメジャーの次にも興味がふくらみます。マイルから2000mまでなら、どう戦うか、安藤勝己騎手はすっかり手の内に入れ、ダイワメジャーもそれに応えています。これからの目標は、距離を延ばしてどう走るかでしょうが、この秋大きく進化したダイワメジャーが、さらなる進化を遂げるかどうか、関心は高まるばかりです。
いずれにせよ、牝馬の果敢な挑戦も、競馬を盛り上げる誘因になるということです。