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良血マル外スイートプラドに期待

  • 2006年12月05日(火) 23時48分
サクラエイブル(牝 美浦・小島太 父アグネスタキオン、母サクラフューチャー)
 母サクラフューチャーは現役時代フラワーC(GIII)7着などの成績がある。年度代表馬サクラローレル(96年天皇賞・春-GI、96年有馬記念-GI)の半妹にあたる良血だ。父アグネスタキオンはサンデーサイレンスの有力後継種牡馬の1頭で、代表産駒はNHKマイルC(GI)を勝ったロジック。本馬は、そのロジックと同じく「アグネスタキオン×サクラユタカオー」という組み合わせから誕生している。1600〜1800mを得意とする芝馬だろう。仕上がりは早い。

トーセンキャプテン(牡 栗東・角居勝彦 父ジャングルポケット、母サンデーピクニック)
 母サンデーピクニックは社台ファームが生産したサンデーサイレンス産駒ながら、フランスに渡ってデビューし、3歳時にクレオパトル賞(G3)を快勝した。サンデー産駒の記念すべき海外初重賞ウィナーだ。日本に帰国後はクイーンS(GIII)で3着となった。父ジャングルポケットは日本ダービー(GI)、ジャパンC(GI)などを制した名馬で、今年の2歳が初年度産駒。本馬は、その代表産駒フサイチホウオー(06年東スポ杯2歳S-GIII)と同じく「ジャングルポケット×サンデー」という組み合わせ。スケールの大きなクラシック配合で将来性十分。

ホースメンレディー(牝 美浦・内藤一雄 父ティンバーカントリー、母ウメノローザ)
 母ウメノローザは大井競馬で走り、重賞グランドチャンピオン2000(ダ2000m)を12番人気で快勝した。当時南関東ナンバーワンだったダイコウガルダンを別定戦で差し切ったのだから価値がある。産駒に99年のオークス馬ウメノファイバー(父サクラユタカオー)がおり、繁殖牝馬としても優秀な能力を示している。本馬はその半妹。父はダート向きのティンバーカントリーなので、おそらく母の砂適性が呼び起こされてダートの中距離タイプとなるだろう。

スイートフラッグ(牝 美浦・久保田貴士 父Kingmambo、母Serengeti Day)
 その昔、シンボリ牧場が生産したスイートフラッグという名牝(重賞4勝)がいたが、本馬は単に同名というだけで何の関係もなく、シンボリ牧場とも縁はない。母Serengeti Dayは北米で2戦1勝。半姉には名繁殖牝馬Weekend Surprise(A.P.Indy、Summer Squallの母)、半兄に快速馬Wolfhound(英仏でG1を2勝)がいる。本馬はKingmanbo(エルコンドルパサー、キングカメハメハなどの父)を父とし、底力あふれる血で構成されているので、芝の中長距離を得意とするだろう。ダートも間違いなく上手いはず。素軽い動きを披露するようなら重賞を目指せる。

スイートプラド(牝 美浦・古賀慎明 父El Prado、母Kenbu)
 母Kenbuはフランスでカブール賞(G3)を勝った活躍馬。半姉にスイートオーキッド(00年クリスタルC-GIII)、半兄にシンボリスウォード(重賞2着2回)、シンボリウエスト(準OP)などがいる。本馬の父El PradoはSadler's Wells系ながら北米チャンピオンサイアーに輝いた芝・ダート兼用の名種牡馬で、中距離をメインフィールドとする。本馬は兄姉よりも長めの距離で活躍するだろう。配合も悪くなく、大物感がある。

ナショナルホリデー(牝 美浦・田村康仁 父ダンスインザダーク、母ナショナルフラッグ)
 半兄インターフラッグ(98年ステイヤーズS-GII)、ダイワジアン(03年中山記念-GII・3着)、半姉マルカコマチ(99年京都牝馬特別-GIII)という良血。父ダンスインザダークはディクタスを持つ繁殖牝馬と相性がよく、過去にこの配合からツルマルボーイ(04年安田記念-GI)、マッキーマックス(06年ダイヤモンドS-GIII)、ムーンライトタンゴ(01年桜花賞-GI・2着)などを出している。仕上がりの早いタイプとはいえないが、ポテンシャルは高そうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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