ニュー阪神の外回りのマイル戦、桜花賞を行うこのコースを熟知しておかねばなりません。阪神ジュベナイルFの勝者ウオッカと敗者アストンマーチャン、これがこのコースのひとつの典型を見せてくれました。
スピードで優るアストンマーチャン、速さだけでは乗り切ることの難しさを示し、ウオッカの大きな走法で外から追い込む脚、タフなコースだということを示していました。
ラストスパートに入った2頭のフットワークを見ていて、そのことを強く印象づけられました。このことは、桜花賞から、さらにはオークスをも展望するものではないか、そんな風にも考えられました。わずか3戦目だったウオッカ。大きく伸びてきて、一瞬内にささり気味になったとき、素早く手前を替えてグイと勢いをつけた姿から、この馬の素質の高さを見たのではないでしょうか。
そしてもう一点、1分33秒1という時計。これは、タフなコース、2歳の暮れという時期から考えれば優秀であり、優れた馬ならこれぐらいはという基準にしていいでしょう。
さて、続く朝日杯フューチュリティS。このマイル戦は、中山というコースの特性があまりにも特異なので、なかなか次につながりにくい面を持っています。
小回りで、3つのコーナー、さらに直線の急坂。特に、短い直線で求められるものに2歳のこの時期では厳しいものがあります。
ずば抜けた素質を持つ馬ならともかく、多くは、この時期での完成度が出ることが多いのは、こういう理由からではないかと考えてきました。
能力が接近しているメンバー構成の場合にキャリアのあるものが優勝することが目につくと言ってもいいでしょう。
勝った馬には、その勝因がそこにあったか、コースの特性とつけ合わせて検証することが必要だし、敗者については、その敗因をしっかり検証して先を見るということでしょう。