実績で上回る5歳以上の古馬だと、記録の裏付けを根拠にすることができるが、まだキャリアの浅い4歳馬、それも1600mの経験が少ない馬を狙うのはちょっと難しい。
4歳イースター(父エルコンドルパサー)から入りたい。この馬、距離1600mは新馬の1着と、シンザン記念4着、アーリントンC・8着の3走だけ。骨折明けの3歳秋からは1800~2000mを中心に出走しているから、平均ペース向きの中距離のようなイメージがあるが、本当は1600mこそベストの可能性がかなりある。新馬を勝ったあとの2戦目が1400mの京王杯2歳S(東京)。出負けしながら上がり34.1秒で突っ込み、ハナ差の2着だった。続く3戦目も1400mのさざんか賞(阪神)。ここでも前半は後ろにいたが、再び鋭く伸び、先に抜け出したロジック(のちのNHKマイルC勝ち馬)を差し切っている。ズブいわけではなく、切れを生かすためにあえて控えるレース運びだった。
もちろん1800~2000mもこなせるが、持ち味の切れを生かすに1600mの方が合っていそうな根拠は、母方にある。母バプティスタ(父サンデーサイレンス)も、祖母ビーパップ(父アンバーシャダイ)も、典型的なマイラー型だった。
父のエルコンドルパサーはヴァーミリアンや、ソングオブウインドが示すようにサンデーサイレンス牝馬と合ううえ、母方の特質を前面に出す傾向がある。だからさまざまな産駒を送り出し、わずか3年間の供用だったが昨06年は総合リーディング6位に登場するほど大成功している。イースターの場合、牝系の良さが出るとしたら、マイラーとしてだろう。そうは速くなりそうもない流れ。幸いコースロスなしのインを引いた。ルメール騎乗。そうは人気にならないので、強気に狙う価値十分だろう。