スマートフォン版へ

アドベガのラストクロップは豊作の予感

  • 2007年06月14日(木) 17時49分
  • 0
 先週に引き続いて種牡馬ごとの注目2歳産駒を取り上げていきたいと思います。今回はアドマイヤベガとマンハッタンカフェを。

 アドマイヤベガは代表産駒のキストゥヘヴンアドマイヤフジストーミーカフェが典型ですが、Northern Dancerを持ちHyperion血脈が強い牝馬との配合で大物を出します。今年の2歳ではミレニアムバイオの妹ドルスク05、トゥザヴィクトリーの弟フェアリードール05、インティライミの弟フィッツロイ、アドマイヤフジの全妹アドマイヤトパーズにまずは注目。いずれもDanzig、Nureyev、ノーザンテースト、Be My Guestといったアドベガとの配合で実績があるNorthern Dancer血脈を引き、かつ母にHyperionの強いクロスがあります。他にメジロラケッティークリスザレディー05サクラソレイユ05ニッポーダイリン05ヒシピナクル05ポジー05ホッコーシャープ05なども成功パターンの配合で、残念ながらこの世代がラストクロップとなるアドマイヤベガですが、ザッと血統表を見た感じではなかなか粒揃いだと思いますよ。

 マンハッタンカフェは初年度産駒からココナッツパンチメイショウレガーロスマートカスタムなどが活躍。どちらかといえばスロースターターかとも思われただけにまずまずの出足でしょう。ココナッツとメイショウは母系にBlushing Groomを引くという共通点がありますが、Blushing Groomが入るとHalo≒Boldnesian≒Red Godのニヤリークロスになるので軽いスピードが出やすいのです。またココナッツの母はRed God≒Up Spirits3×3、メイショウはNijinsky4×4、スマートはTom Rolfe5×3と、母が強いクロスを持っているのも共通していますね。マンハッタンカフェは5代アウトなので、クロスのうるさい牝馬との配合が合うのでしょう。

 まず取り上げたいのはアンノウンウォーターズ05で、これは何が凄いかというと、母のアンノウンウォーターズがメイショウレガーロの母コッコレと瓜二つの血脈構成(Glorious Song=Devil's Bag、Blushing Groom、Mr.Prospector、Northern Dancer、Native Partnerが共通)で、血統表のほぼ7/8が同じなのです。こちらは牝馬なのでよりスピードが勝ちそうで、桜花賞路線で注目したいマイラー。

 オーシャングローも母にMr.ProspectorとNijinskyとRed Godが入るのでメイショウレガーロと似た配合パターン。母にTom Foolのクロスがあるのもいいですね。1600~2000mが守備範囲でしょう。

 他ではサルスエラカリネッタ05スイートアカデミー05タイキカレン05ロッチラヴウインク05なども注目の配合馬です。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1966年生まれ。育成牧場従業員を経て、92年~02年まで競馬通信社編集部に在籍し、現在はフリー。主な著書に「スペシャルウィークのつくり方」(宝島社)。現在は、大阪日刊スポーツ、競馬総合チャンネルなどに血統コラムを連載中。また、大手馬主の配合コンサルタントもつとめている。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング