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夏の2歳重賞、大波乱の原因は?

  • 2007年09月04日(火) 17時50分
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 常々、「今年はレベルが高い」と言い続けてきた今年の新潟組の総決算。新潟2歳Sは、例年主力を形成するダリア賞の1、2着馬が回避したものの、主だったところがほとんど顔を揃えました。

 馬場は例年よりも時計が出る良好なコンディションで、週末の雨の影響もほとんど残っていませんでした。しかし結果は大荒れ。函館2歳S同様、少なくとも私にはまったくの予想外の結果に終わりました。まずは物理的な面からまとめておきます。

 勝ちタイム1分34秒1は、ワナのレースレコードに0.3秒と迫る好タイム。テンの3F35.6秒、5F60.0秒は、2歳のマイル重賞という見方をしてもスローに近いのですが、ただ新潟外回りで行なわれた新馬戦(芝1600m、1800m)の大部分はたいてい5F63秒から65秒という流れなので、大げさに言えば「未知のハイペース」。そしてこれが、大波乱を呼んだ原因のひとつだったのかもしれません。


 続いて、主な馬についての講評です。1着エフティマイア(牝、父フジキセキ、母カツラドライバー、美浦・矢野進)⇒無傷の3連勝。しかしマリーゴールド賞の内容をかなり低評価していたために、ここでは通用しないと思っていました。1400m以下の経験から、これくらいのペースはまったく意に介さずということだったのかもしれません。ただ、いかにも早熟な印象。器用すぎるし、こじんまりとした走りは2歳戦向きだと思います。

 2着シャランジュ(牝、父テンビー、母レパーティー、美浦・本間忍)⇒16番人気。何を書いたらいいものか…偉そうに分析しても、この馬の好走を解読できる術はありません。恥かしい話ですが放棄します。外ラチ沿いまで外へ出した理由も今ひとつわかりません。それほど外が伸びるコンディションだったのでしょうか?

 3着ゴールドストレイン(牡、父ゴールドアリュール、母サクセスストレイン、美浦・稲葉隆一)⇒上位で唯一、評価をしていた馬。9番人気と意外な低評価でした。後述するタケミカヅチ(牡、父ゴールドアリュール、母カズミハルコマ、美浦・大江原哲)あたりのレースに比べれば、前走は前後半のラップの変化幅が小さかった分、今回の流れに耐えられたのかもしれません。脚の使い方を見ると、急なペースアップにも対応しており、坂のあるコースにも対応できそう。ちなみに装鞍所で転倒し、一時は取消も検討されたほどだったとか。

 4着エイシンパンサー(牝、父コロナドズクエスト、母ナナコフレスコ、栗東・平田修)⇒こちらはやはり距離の壁あり。今後は1400m以下で強くなりそう。

 5着タケショウオージ(牡、母タケショウティアラ、美浦・国枝栄)⇒勝負所でモタついたのは久々の分でしょう。あと、瞬発力に欠けるコマンダーインチーフ産駒ということもあるかもしれません。坂への対応は微妙ですが、東京くらいのなだらかな坂なら問題なさそう。

 6着タケミカヅチ⇒スタートが良くて行きたがり、押さえ込もうとした鞍上と折り合いを欠くシーンがありました。救いは、ずっと同じ5、6番手で競馬ができたこと。これで直線下がってしまうと、ただの馬になる恐れが大きかったのですが、番手を大きく下げなかったのは、とりあえず流れに対応できる兆しがあったということです。ただし、前にも書いたように、血統面からは平坦向きだと思います。

 小倉2歳Sは、低調だった今年の小倉組を反映する結果でした。マルブツイースター(牡、父サクラバクシンオー、母ミスイースター、栗東・中尾正)の勝ちタイム1分9秒3は、同日ニホンピロタルトが勝った5Rの3歳未勝利に0.2秒劣り、1Rの2歳未勝利を0.2秒しか上回れませんでした。前に行ってのこのタイムですから、マルブツ自身のレース内容は評価できず。

 負けた2着以下は、言わずもがなです。ただし、スタートで安目を売り、直線だけで猛然と追い上げた3着マイネレーツェル(牝、父ステイゴールド、母ケイアイベール、栗東・五十嵐忠男)は見直しの余地ありですが…。いずれにせよ、今後へは繋がらないでしょう。



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