東京盃(10月3日 大井 サラ3歳以上 別定 JpnII 1200m)
交流ダートGが再開される。「東京盃」後、10月の日程は、「南部杯=8日盛岡・1600m」、「エーデルワイス賞=11日旭川・1600m」、「北海道2歳優駿=25日札幌・1700m」と続いていく。東京盃、南部杯は、言わずもがな「JBCデー=30日・大井」に直結し、エーデルワイスS、北海道2歳優駿も、結果、内容しだいでは、暮れの「全日本2歳優駿=12月19日・川崎1600m」につながってくる。レース体系、骨格が大きくは揺るがず、ひとまずよかった。ようやく“秋競馬”の開幕ともいえるだろう。
東京盃は、95年から交流G移行。第1回をサクラハイスピード(船橋・川島正行厩舎)が制している。近10年のデータを書く。1番人気[2-2-0-6]、2番人気[3-1-0-6]。3番人気[3-0-2-5]。堅いか大波乱かの両極端で、とりわけJRA人気馬の取捨が難しい。99年ビーマイナカヤマ(7着)、00年ワシントンカラー(5着)ら1人気馬が敗退し、代わりにビコーミニスター、セレクトグリーンなど伏兵が連対している。昨年も1番人気アグネスジェダイは7着。リミットレスビッド(3番人気)→シーキングザベスト(2番人気)の決着だった。
所属別では、JRA=4勝・2着9、大井=4勝、岩手=1勝・2着1、栃木=1勝。97〜98年と連覇したカガヤキローマン、99年人気薄で逃げ切ったサカモトデュラブ、さらに00年レコード勝ちベラミロードと、総体的には地方馬の健闘が目立っている。ただし、ここ3年はJRA馬のワン・ツー・スリー。相手に深いダートを克服されると、絶対能力の点で地方勢は少し苦しい。牝馬は[2-0-0-15]とアベレージが低いが、前述ベラミロード、02年アインアインなど見事な勝利。能力、状態、展開…、条件がそろえば特に減点もないだろう。逃げた馬=2、4、1、1、4、1、2、6、5、14着。基本的に先手必勝の大井1200mだが、メンバーのレベルが上がるにつれ、その原則が崩れつつある。
◎メイショウバトラー
(54・武豊)
○リミットレスビッド
(57・内田博)
▲トウショウギア
(56・田中勝)
△アグネスジェダイ
(57・小牧太)
△ベルモントサンダー
(56・石崎駿)
△ブルーローレンス
(56・今野)
△ニホンピロサート
(56・勝浦)
コアレスタイム
(56・的場文)
キンセイブレイド
(56・戸崎)
ネイティヴハート
(56・繁田)
データ、傾向はともあれ、メンバーを見渡し、地方側は正直大きく劣勢と言わざるをえない。実績、短距離適性から勝負圏にありそうなブルーローレンス、コアレスタイムは、ともに充電後の休み明け。転入初戦を1200m1分10秒9の快時計で勝ったベルモントサンダーも、JRA一連の成績をふり返ると(4勝・1600万)、本来OPレベルにあるのかどうか。
JRA馬の比較、そう観点を絞ればメイショウバトラーで文句ない。今季交流G、4連覇。それも前2走「川崎・スパーキングレディーC」、「水沢・クラスターC」はほぼ追ったところなしの楽勝だった。同馬の場合、最も強みは4歳時、芝GIII「小倉大賞典」を勝った絶対能力。そのベースの上に、現在ダート短〜マイル路線でゆるぎない位置を築きあげたことだろう。スピード、センス、勝負強さ。すべてにバランスがとれている。武豊Jが乗って[4-1-0-1]。大井初コースもこのコンビなら問題あるまい。別定54kg有利。外めの枠(16頭11番)を引き、むしろスムーズに動けそうだ。
昨年の覇者リミットレスビッドを素直に本線。サバイバルに強い末脚が頼もしく、内田博Jとのコンビでは、かつて東京GIII根岸Sを勝っている。前走プロキオンS・2着で軌道修正。脚部不安などで本格化が遅れ、8歳馬ながら今が旬と考えていい。
アグネスジェダイは一昨年の覇者だが、昨年7着。レベルが上がり流れが厳しくなると、鋭さ負けの傾向がある。これならダート1200m〜1600mで11勝、前々走東京1400mレコード樹立のトウショウギアを上にみたい。ニホンピロサートは短距離界の古豪だが、今回半年ぶりで一枚割り引き。ネイティヴハートは前走北海道スプリントC・8着。ダートは土俵が違うとしかいいようがない。
※文中の重賞の格付けは、新表記を使用しております。