──と、そんなことを思い出しながら夕飯の支度をする俺。
今日は五時からテレビで有馬記念の公開枠順抽選会があるから、少し早めに
用意を始める。
ちなみに今日は野菜たっぷりのベジタブルカレーだ。
リリンはテーブルに置いたノーパソで過去のレース動画を見返しているらし
い。
拳を握りしめ額に汗を浮かべながら「う~っ」と、うなっているところをみ
るとだいぶ集中しているようだ。
まあ、それにしてもなんだ。部屋の中に暖房を入れているとはいえ、リリン
の奴、あいかわらずの長Tシャツにパンツ一丁という格好。
しかも椅子の上で片膝を立てているので、いかん。いかん。ついついクロッ
チ部分に目がいってしまう。
職業紳士な俺は首を振り、リリンの股間から目を離し野菜を切ること集中し
た。
えっと、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ……と。
「ひゃ、ひゃふふふ~ん。き、きさまはどんな予想なんだぁ?」
考えすぎで酸欠なのか、荒い息でリリンが訊ねてくる。少し声のトーンが艶
めかしいが平常運転だろう。
「俺かあ? まあ、キタサンとスワーヴリチャードの軸二頭流しかな」
キタサンはオーナーのサブちゃんをはじめ陣営が気合い入ってるみたいだ
し、スワーヴリチャードはジャパンカップを飛ばして有馬に向かって来たロー
テが気に入っていた。
それに三歳馬は斤量が二キロ軽い。一キロ一馬身と聞いたことがあるから、
二キロなら二馬身有利である。
「はあ、はあ、きさまはバカかぁ? そんなガチガチの予想で恥ずかしくない
んかぁ? 人から感謝されないぞ。それにキタサンは危険だ。ノド鳴り疑惑が
持ち上がっているぞ」
「ノド鳴り?」
そう言えば、宝塚で負けた理由でそんな噂も出ていたような。
天皇賞勝ったのは、不良馬場になるほど空気が湿っていたから良かったなん
ていう話も聞いたことがある。
(^_-)
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