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注目してみたいハートスプリンクルの実験配合

  • 2008年03月04日(火) 23時46分
カルルシュテイン(牝 栗東・野村彰彦 父キングヘイロー、母ルスナイスピリット)
 母ルスナイスピリットは1勝馬だが、2代母タカノプリマは報知杯4歳牝馬特別(GII)の2着馬。キングヘイローはLa Troienneの血を抱えた繁殖牝馬との間に良駒を出す傾向が見られるが、本馬は母系にLa Troienneを5本持っているので期待が持てる。Ribot系のバンブーアトラスが入るので底力も十分。芝向きの中距離タイプだろう。

スマートサプライズ(牡 美浦・奥平雅士 父フレンチデピュティ、母フサイチオラクル)
 フレンチデピュティのニックスはいくつか存在するが、最も単純なのは母系にMr.Prospectorが入るパターン。産駒数は多いが無難に走っており信頼できる。本馬はこのパターン。Laredo Lass≒Overpowering 3×3も味があり、高い潜在能力を感じさせる。ダート向きでマイル前後を得意とするだろう。

デルマビーナス(牝 栗東・作田誠二 父ミラクルアドマイヤ、母ジブリール)
 母ジブリールは未勝利馬だが、その半弟にジャパンCダート(GI)を勝ったアロンダイトがいる。父ミラクルアドマイヤは1勝馬ながらダービー馬フサイチコンコルドの半弟という良血を買われて種牡馬入りし、中山記念(GII)など重賞4勝のカンパニーの父となった。父ミラクルアドマイヤに含まれるSadler's Wellsと母系のRivermanは有名なニックス。アロンダイトの父エルコンドルパサーにもSadler's Wellsは含まれているので、アロンダイトと本馬の配合構成はよく似ている。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

ハートスプリンクル(牝 栗東・石坂正 父Sadler's Wells、母ストールンティア)
 父Sadler's Wellsは「父がNorthern Dancerで2代母がSpecial」。2代母Durrahは「2代父がNorthern Dancerで母がSpecial」。つまり、Sadler's Wells≒Durrah 1×2という異様な配合構成となっている。ジャパンC(GI)を勝って凱旋門賞(G1)でも2着となったエルコンドルパサーがこれと似たようなインブリードを持っていた。Sadler's Wells産駒は総じて鈍重なので、母の父Cadeaux Genereuxからスピードを受け継いでいれば楽しみ。

ホウショウアマネ(牝 栗東・友道康夫 父Unbridled's Song、母Gaily Egret)
 2代母Lite Lightはケンタッキーオークス(米G1)優勝馬で、母Gaily Egret(ゲイリーイグリット)は兵庫ゴールドトロフィー(GIII・ダ1400m)とさきたま杯(GIII・ダ1400m)の勝ち馬。母は引退後、アメリカに渡って繁殖生活を送っているため、その娘の本馬は外国産馬扱いとなる。父Unbridled's SongはブリーダーズCジュヴェナイル(米G1)の勝ち馬で、種牡馬としても多くの活躍馬を送り出しており、日本ではアグネスソニック(02年NHKマイルC-GI・2着)の父として知られている。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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