今年の牡馬クラシック戦線は、なかなか先が見えてこないとはいえ、弥生賞となればそうとばかりも言ってられない。確実に一歩前進する。これまでは、ひたすら時の経過を見すごしていたのだが、動き出したら慌ただしくなるはずだ。
その兆候とまではいかないにせよ、ちょっと面白いことに気がついた。
アーリントンCまでこの世代のステークスは、2歳時から通算して18レース終了した。そのうち12レースの勝ち馬の父馬が日本国内でレースをしているのだ。今年から父内国産馬の表示がなくなったが、それだけその数が増え、特別扱いすることもなくなっている。スーパーサイアー、サンデーサイレンスの二世たちの存在が大きいことは周知の通りだが、必ずしもそればかりでないところが面白い。
今のところ、フジキセキ、アグネスタキオンといったSS二世種牡馬の産駒がステークスウイナーに名を連ねているが、これは例年と変わりない。他では、ジャングルポケット産駒、これも2頭の勝ち馬を出し相変わらずだが、ここに来てボツボツと頭角を表しているのが、新種牡馬シンボリクリスエスだ。
アーリントンCを逃げ切ったダンツキッスイが最初のステークスウイナーになったが、距離が延びて産駒が走り出すという予感通りになってきた。阪神2200mのオープン、すみれS・2着のモンテクリスエスも有望なら、中山2200mの500万特別、水仙賞の1、2着馬、オリエンタルヨーク、ネオスピリッツも見所があった。
シンボリクリスエス自身も似たような現役時代で、10月の新馬戦を勝って2戦目が年明けの1月下旬、2、3着を3回くりかえして2勝目が5戦目、中山の2200m山吹賞で、その直後青葉賞を勝って第一線級にのぼりつめて行ったのだから、その産駒たちが似たようなコースを辿っても不思議ではない。