東京シティ盃(3月12日 大井 サラ4歳以上 別定 SIII 1200m)
昨年から1400→1200mに距離変更。よりスピード色が強くなった同レースだが、かつてカガヤキローマン、フレアリングマズル、ハタノアドニスら、当時を代表する快速馬が制し、昨年はフジノウェーブ(JBCクラシック優勝)が完勝している。格はSIIIながら、実質“南関東根幹レース”のイメージでいいだろう。路線は、「マイルグランプリ=4月9日・大井1600m」→「かしわ記念=5月5日・船橋1600m」につながっていく。
過去10年のデータ。1番人気[4-3-0-3]、2番人気[2-1-3-4]、3番人気[0-3-2-5]。1〜2人気の信頼度はまずまずだが、きっちり堅いとも言い切れず、おおむね各年“微妙な部分”で波乱が出ている。最高配当は、06年ベルモントファラオ→イブキオネストで決まった、馬単14340円。当時、前走「金盃」を勝ったメイプルエイトが1番人気。ハイペースの追走に骨を折り、結果距離不足という6着だった。
大井=6勝、2着5は、「金盃」と並び近年珍しいホーム優勢。それでも船橋=3勝、2着3、川崎=1勝、2着1。出走頭数を加味すれば、ひとまず当然の数字といえるか。実績のあるリピーターが総じて強く、過去5年で7歳馬が3頭優勝、04年は8歳ハタノアドニスが2着だった。逃げた馬=7、1、9、5、2、1、10、5、1、2着。スピード上位、先手必勝と思えた昨年ナイキアディライト2着だから、特にアドバンテージは感じられない。2〜3番手からの抜け出しが理想。
◎ベルモントサンダー
(58・石崎駿)
○ナイキアディライト
(58・戸崎)
▲プライドキム
(58・町田)
△ブルーローレンス
(58・的場文)
△ビッググラス
(58・今野)
△シルヴァーゼット
(58・御神本)
△ベルモントストーム
(58・石崎隆)
フーバーダム
(56・坂井)
ブローザウインド
(54・真島)
基準はナイキアディライトになるだろう。交流Gかしわ記念を含む重賞12勝。昨年このレース、フジノウェーブに差されて2着だが、相手は後のNAR最優秀スプリンターで、しかも展開上、追う者の強みがあった。アディライト自身、昨年タイトルを3つ上積み。今季8歳馬ながら目立つ衰えは感じさせない。何より別定58kgがきわめて有利。鞍上は、今季南関リーディングを狙おうという戸崎騎手だ。
これを逆転できる馬。ベルモントサンダーに目がある。JRA準オープン(4勝)から昨夏転入。アフリート×ダンチヒの血統通り、短距離ダートで大きく個性が開花した。大井1200m2勝。1つは良馬場1分10.9秒(レコードに0.7秒差)で乗り切った「シーサイドC」、1つはフジノウェーブを封じ込めた「アフター5スター賞」。いずれもきわめて中身が濃く、7歳にしていよいよ旬を感じさせる。前走中山GIII「ガーネットS」も、致命的な出遅れを直線大外から6着まで押し上げ、現実に上がり36.7秒は、スリーアベニュー(2着)に次ぐNo.2の鋭さだった。今回大外枠(13頭13番)を引いたが、この状況ならかえってプレッシャーがかからない。
復活したGI(全日本2歳優駿)馬プライドキムに、新鋭町田騎手が起用された。このコンビも大いに楽しみ。馬自身まだまだ上昇余力を残し、昨年「船橋記念=1000m」圧勝から短距離適性も高い。前走「報知グランプリC=船橋1800m」で同馬をインから差したブルーローレンスは、気性面で少し渋くなった印象があり、忙しい競馬の対応力がカギになる。穴はビッググラス。昨年「根岸S」制覇など、本来一線級のスプリンター。南関東転入3戦結果が出ないが、前走「フェブラリーS」は外から馬なりで先行、これは…という見せ場があった。