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高い資質を感じさせる豪州産馬カネトシヴィゴーレ

  • 2008年03月11日(火) 23時46分
アラクネベガ(牝 美浦・石毛善彦 父アドマイヤベガ、母ニッポーダイリン)
 半兄ナニワビクトリー(父フジキセキ)はOPクラスまで出世したダート短距離馬だった。本馬の父アドマイヤベガは、基本的にスタミナタイプの繁殖牝馬と相性がよく、代表産駒のキストゥヘヴン(06年桜花賞-GI)、アドマイヤフジ(06年日経新春杯-GII)、ストーミーカフェ(05年共同通信杯-GIII)、アルナスライン(07年菊花賞-GI・2着)は、いずれも図太いスタミナ血脈を母系に抱えていた。Hyperion系の血脈とは特に相性がよく、本馬はこのパターンに当てはまっている。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

イイデショウ(牝 栗東・音無秀孝 父フォーティナイナー、母メロンパン)
 半姉ワナ(父フジキセキ)は新潟2歳S(GIII)をレコードで快勝し、半兄ロロ(父フジキセキ)はダートでOPクラスまで出世した。本馬はその半妹にあたる。父はフォーティナイナーなので、基本的にはダートを得意とするタイプだろう。仕上がりが早く、ローカルで本領を発揮する。距離的には万能で1800mあたりまでならまったく問題ない。

カネトシヴィゴーレ(牝 栗東・矢作芳人 父French Deputy、母Snowfall)
 豪州産馬なので、日本産馬に比べると生まれが半年遅い(8月24日生)。父は日豪をシャトル種牡馬として往復していたフレンチデピュティ。母の父は日本でも供用されたエンドスウィープ。したがって外国産馬でありながら血統は馴染み深い。「フレンチデピュティ×エンドスウィープ」という組み合わせはアルーリングボイス(05年小倉2歳S-GIII、05年ファンタジーS-GIII)と同じ。芝向きのスピードタイプで、仕上がりが早く、平坦コースで確実に走りそう。

ダイワカウント(牡 美浦・二ノ宮敬宇 父Stravinsky、母コニャックレディ)
 半兄カフェオリンポス(父Grand Slam)はジャパンダートダービー(GI)を勝ったほか、南部杯(交流GI)3着、東京大賞典(交流GI)4着、フェブラリーS(GI)4着など、ダート路線のトップクラスで活躍している。本馬の父StravinskyはNureyev系で、日本ではコンゴウリキシオー(07年マイラーズC-GII、06年金鯱賞-GII、05年きさらぎ賞-GIII)の父として知られている。芝OKの種牡馬なので、本馬は兄と違って芝でも走れるだろう。

ヤッパリグランプリ(牡 栗東・松元茂樹 父タイキシャトル、母インヴァイト)
 全兄ウインクリューガーはNHKマイルC(GI)とアーリントンC(GIII)の勝ち馬。半姉タニノハイクレア(父クロフネ)は芝短距離を得意とする準OP馬。母インヴァイトはウインドインハーヘア(ディープインパクトの母)の半姉にあたる良血だけに、繁殖牝馬としての能力は非凡なものがある。本馬はウインクリューガーの全弟なので、兄と同じように芝向きのマイラーとして活躍しそう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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