先週で2週4日間の開催が終了した中山、阪神、中京。早速、先週の調教傾向を見ていきましょう。
中山芝ではオーシャンSと弥生賞、距離が違う2重賞が行われましたが、ともに勝ったのは調教本数の少ない馬。時計の速い馬場になると、少ない調教量でもスピードに優った馬が勝つことはありますが、オーシャンS、弥生賞ともに勝ち時計を見る限りは特に速くもなく逆に平凡なくらい。これで調教量の少ない馬が勝ったということは、道中の流れがよほど緩かったのではないかと思います。
特にオーシャンSはサンアディユが出遅れたように、他にもゲートで後手を踏んだ馬が多く、前半3Fが34秒1とかなり遅めでした。このレースは高松宮記念のステップレースの意味合いを持つレースでもありますが、勝ち馬の調教内容から見たレースレベルとしてはかなり低いと思います。
さて今週は中山牝馬Sが行われますが、牝馬限定の1800m重賞。平凡な時計の先行有利の馬場となれば、重賞とはいえ調教本数が少なくても十分に好走することができるでしょう。
ダート戦について先週の回顧で書き忘れたことがひとつありました。それが「連闘馬」の扱い。1回中山では1200mでも1800mでも連闘が好走していたので、今開催も注意しましょうと書くつもりでしたが、書き忘れていると3日目の2Rでキモンホワイトが単勝5780円という穴をあけていました。4日目12Rでは2番人気のサンマルセイコーが勝っているので、人気の有無関わらず連闘馬には注意してください。
先週の阪神芝ではチューリップ賞が行われましたが、坂路、併用、坂路で決着。やはりマイル戦ではトラック調教馬が苦戦しています。今週は1400mの重賞、フィリーズレビューが行われます。詳しくは
競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で解説しますが、過去このレースは坂路調教馬が好走。今の馬場状態を考えても坂路調教馬が有利にレースを進めるのではないかと思います。
阪神ダートは相変わらず時計の速い馬場。よって調教量以上に先行できる脚質が重要になります。最も信頼が置けるのは仁川Sを勝ったフィフティーワナーのように坂路である程度の本数をしっかり調教されており、レースの流れを組み立てることができる馬です。これは短距離、中距離問わない傾向だといえるでしょう。
中京の芝に関しては、かなり時計が出る馬場状態。1200mは500万下のレースでも1分7秒台の決着になりました。4日目9Rを勝ったワイルドイリーガルは坂路で一杯に追われた馬であり、2着シゲルダイノウカイが坂路で本数多く調教を積んだ馬だったので、坂路調教馬が有利な馬場といってもよいかも知れません。ただし高速馬場なので後方から競馬をする坂路調教馬では信頼度が低くく、馬券的には先行できる脚質の坂路調教馬を軸にすることがベストでしょう。
今週は1200mでファルコンSが行われますが、雨が降って馬場が渋るということがない限り、先行する坂路調教馬が有利になるでしょう。
中京記念が行われた2000mもかなり時計の速い決着でした。このレースでは過去の中京記念の調教傾向から調教量不足と思われたタスカータソルテ、センカクが1、2着。同じ距離で行われた500万下の熊野特別でも2、3着に人気薄の調教量が少ない馬が好走しており、特に2000mでは調教量では馬券を買いにくい馬場状態といえます。
ダートに関しては1700mが先週よりも調教量豊富な馬が好走する馬場にシフトしています。4日目8Rでは1、2番人気が能力は上位でしたが、ともに休養明けで調教量不足。これを後方から差し切ったのが坂路で本数多く調教を積んだ7番人気のゲットクールでした。また同日の12Rではトラックでスパルタ調教された10番人気のマルカシリウスが逃げ切り。2着には坂路で本数多く調教を積んだ6番人気ブレイバーが入りました。
先週まではある程度標準の調教量を積んだ人気馬が好走していましたが、今後は本数が多くないと先行して押し切れない馬場になったといえるでしょう。雨さえ降らなければ今週末も同様の調教タイプが好走してくれるはずです。
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