桜花賞(3月19日 浦和 サラ3歳牝馬 定量54kg SI 1600m)
南関東クラシック第1弾。3月19日の“桜”とはいかにも早いが(首都圏開花予想・1週前)、大井、川崎、ナイター日程の関係などで、どうやら今後も“前倒し”になるようだ。弊害といえば、続く2冠、「東京プリンセス賞・5月15日大井」→「関東オークス・6月18日川崎」まで大きく間隔が開くこと。もっとも昨年から「しらさぎ賞・4月29日浦和」が、古馬混合ながら“牝馬限定”に条件変更。そこをワンステップという戦略もないではない。
過去10年間のデータ。1番人気[4-1-0-5]、2番人気[1-0-3-6]、3番人気[1-0-2-7]。1番人気の信頼度はまずまずだが、これに続く対抗馬、単穴級の成績がどうにも冴えない。馬連1000円以下が1度もないから、やはり波乱傾向とみるべきだろう。馬単最高配当は、00年アミー→ウツミダンスダンス、67380円。当時、牡馬相手「京浜盃」を2着と健闘したカツベンテンが1番人気。今思えば、成長力、底力に問題があったかもしれない。反面、1番人気の勝ち馬、01年ナミ、02年ラヴァリーフリッグ、さらに一昨年チャームアスリーブなどは、以後“女傑”と呼べる域まで昇りつめた。
所属別は、船橋=3勝、2着1、川崎=3勝、2着4、大井=2勝、2着3、浦和=2勝、2着2。珍しく4場が拮抗し、がっぷりの好勝負となっている。逃げた馬=2、2、10、1、1、1、9、1、11、3着。東京2歳優駿牝馬勝ち馬=1、不、3、不、1、不、9、不、不、中止。同ユングフラウ賞=4、3、6、8、10、1、8、2、8、7着。もう一つ、これは客観的なデータとも少し違うが、浦和ダート1600m=早熟・スピード優先…のイメージと裏腹に、いわゆる重厚な血統を持つ馬が活躍している。古くはアラナス、シーホーク、ミルジョージ。近年でも、00年アミーは父アイネスフウジン、06年、結局3冠を達成するチャームアスリープも、父が馬力型ティンバーカントリーだから、意外かつ面白い。
◎ブライズメイト
(54・山田信)
○マダムルコント
(54・町田)
▲インカローズ
(54・的場文)
△トミノプラネット
(54・吉田稔)
△ハイブラウグレース
(54・坂井)
△フィリアレギス
(54・戸崎)
△シスターエレキング
(54・桑島)
ブルーザミント
(54・御神本)
レモンサワー
(54・繁田)
実績比較からは文句なくマダムルコント。昨季「ローレル賞・川崎1600m」→「東京2歳優駿牝馬・大井1600m」連破は完璧な先行抜け出し。時計的にも平年以上で、マイラーとしての完成度がきわめて高い。前走時414kg、一見華奢に映る馬体だが、競り合って無類にしぶとく、いかにも実戦向き、芯の強さを感じさせる。ただし今回問題は、およそ3か月ぶり、ぶっつけになる経緯だろう。放牧から川崎帰厩後、まだ間もないという経緯で、今回100%かどうか判断に正直迷う。元より多分に偏差値的な感もある最有力馬。ズバ抜けた力関係とは少し違う。
ブライズメイトを指名した。マダムルコントに首差敗れた「優駿牝馬」は大外枠から立ち遅れ、3〜4コーナー力任せに捲って出たもの。ことレースぶりのインパクトというなら、相手をはっきり凌いでいる。北海道オープンでもまれてきた(牡馬混合2勝)逞しさ。エイシンサンディ(その父SS)×リアルシャダイのクラシック血脈。前走地元船橋、4kg増で小差2着も、まさしく青写真そのまま、理想のステップといえるだろう。前述通り浦和桜花賞は、スピード、器用さより、パワー、底力が優先する。
トライアル「ユングフラウ賞」を勝ったインカローズは、昨秋平和賞5着を含め確かな地力。手ごろな相手にポンポンときたぶん微妙とみたが、ごく素直に勢いを買うなら中心視も十分ある。「ローレル賞」でルコントと接戦したトミノプラネットは、以後気分の乗らないレースを続け、どう評価するか難しい。それなら転入後4戦、ユングフラウ3着で突破口を開いたハイブラウグレース、デビューから3戦2勝、前々走ゲンキチホマレを完封したフィリアレギスに大駆けの期待が浮かぶ。ハタノギャラン、シスターエレキングも前走好タイム勝ち。3歳同士なら、流れしだいの可能性が出る。