先週は牝馬勢にスポットの当たった週でした。
個人的には、出走馬の質が重賞のフィリーズレビューよりも、今後へ向けてという意味では高かったと思っているのがアネモネS。例年、このレースが脚光を浴びることは少ないのですが、今年は素質馬のデビュー遅れが響いてか、賞金ボーダーが低いこちらのレースのメンバーレベルが上がったように思います。
時計が例年よりマイルで1秒近く掛かっていた馬場を考慮すれば、
ソーマジック(牝、美浦・田村康仁)の勝ちタイム1分36秒0は水準の評価になるでしょう。先行勢のだらしなさに助けられた感はありますが、3角手前から外を回して動いていって完勝した脚は、今年のレベルなら本番へ向けて要チェック。父がシンボリクリスエスで母がイタリア1000ギニー馬スーア。マイルがベストでしょう。
2着
シャランジュ(牝、父テンビー、母レパーティー、美浦・本間忍)は、追い込み一手の割りには堅実…ということは、相当の脚力があるということなのでしょう。夏の新潟以降の走りを見ていると、さすがに評価を上方修正せざるをえません。阪神の外回りは先行馬が有利になりがちですが、本番でも連下候補には考えたい1頭です。
惜しかったのは3着
メイショウマリア(牝、父マンハッタンカフェ、母メイショウサブリナ、美浦・小島太)。一瞬の切れにはかなりのものがありますが、最後のひと押しを欠いたのはキャリアでしょう。陣営は秋華賞狙いを公言しているように、春にはまだ完成しないのかもしれませんが、この世代の牝馬のトップクラスにいることは間違いないでしょう。
ラルケット(牝、父ファルブラヴ、母アズサユミ、美浦・和田正道)は、どうやらマイルでも長いようです。これは1400mプロパーなのか?
ブーケフレグランス(牝、父ダンスインザダーク、母スカーレットブーケ、栗東・角居勝彦)はイレ込みが酷かったですが、その背景には、12月のデビュー以降今回が6戦目という強行軍が原因であると思います。さらに、阪神ではこれまでチギられていたように、最後の坂を気にする腰の甘さもあるのでしょう。春の中山で沈没するダンスインザダーク産駒だけに、血統面での割り引きもありますが、とにかく一度リセットして立て直しに努めてほしいところです。
続いて日曜阪神のフィリーズレビューですが、今年はいかにもトライアル向きの馬が集合してしまい、本番への展望が見えないレースとなりました。時計面でも例年以下の評価となります。1400mで34.8-58.3秒では、決してズブズブの追い込み競馬になるほどのペースでもないのに、上位は追い込み勢が独占。これは前に行った組が弱すぎるためです。
勝った
マイネレーツェル(牝、父ステイゴールド、母ケイアイベール、栗東・五十嵐忠男)は、戦績を見てもあまり伸びしろがなさそうなタイプですが、新馬戦で
エイムアットビップ(牝、父アグネスデジタル、母ドリームクロス、栗東・矢作芳人)を破り、フェニックス賞で
ビーチアイドル(牝、父ファルブラヴ、母ビーチフラッグ、栗東・加用正)とクビ差ということを思えば、その頃の力関係がまったくスライドしただけと見ることもできます。
2着
ベストオブミー(牝、父ブライアンズタイム、母フラワーアーチ、栗東・鮫島一歩)も早くにデビューした(函館)組で、ひと皮めくれば第2グループは旧勢力の構造が崩れていないということなのでしょう。となると、この辺では、少なくともジュベナイル上位組を引っくり返すのは無理という結論になります。
エイムアットビップは熱発もたしかに響いたでしょうが、テンションが短距離馬のそれです。
エーソングフォー(牝、父More Than Ready、母Miss Garland、栗東・森秀行)はここまで負ける理由がわかりません。何かあったのか?
まだこの時期でも面白い新馬がデビューしています。
日曜阪神5R芝1800mを圧勝した
アドマイヤコマンド(牡、栗東・橋田満)。父はアグネスタキオン、母はカーネギー×Private Accountという地味な配合のトコアですが、フォームは全身バネといった感じ。恐らく今後はマイラーになっていきそうです。うまく育てば超一流マイラーに育ちそう。
ダートでは、同日の阪神2Rで6馬身ちぎった
タイキドゥカティ(牡、栗東・藤原英昭)。フォーティナイナー×母父Deputy Ministerという大物ダート配合。同日3歳500万下の
ヤサシイキモチと同タイムの1分12秒1ですが、デビュー戦だったうえに、終始馬なりで出したタイキの方が時計的な価値は遥かに上。距離も1800mまではいける背景が血統にはあります。また1頭、ダートにスーパースター候補が現れました。
★netkeibaPOGページで最新の3歳馬情報を手に入れろ!!★