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アドマイヤベガ産駒の成功パターン、フサイチライジン

  • 2008年04月08日(火) 23時50分
インスティル(牝 美浦・尾形充弘 父Fasliyev、母Snow Ballet)
 近親に目立った活躍馬はいないが、Nureyev≒Sadler's Wells 2×2という「4分の3同血クロス」がある。生産者は誰だろうと思って名前を見ると「Takashi Watanabe」とある。エルコンドルパサーを生み出した渡邊隆さんだ。エルコンドルパサーはNureyev≒Sadler's Wells 3×2という配合だったので構成はよく似ている。夢よもう一度、といったところだろう。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

ファインビュー(牝 栗東・池添兼雄 父シンボリクリスエス、母カムコーダー)
 2代母Videoは名種牡馬Caerleonの全妹で、母カムコーダーは本邦輸入種牡馬スキャンの「4分の3妹」にあたる良血。これにシンボリクリスエスを付けて本馬が誕生した。父は晩成型の中長距離型で、ピリッとしないところも見られるので、母の父にMr.Prospector系のスピード(フォーティナイナー)を入れた配合は悪くない。たとえば水仙賞(中山芝2200m)を勝ったオリエンタルヨークは母の父がアフリート(父Mr.Prospector)だ。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。

フィールドブルック(牡 栗東・西園正都 父コロナドズクエスト、母アトムピット)
 母アトムピットは不良馬場の函館3歳S(GIII)を勝ち、テレビ東京賞3歳牝馬S(GIII)でも3着となった早熟タイプ。ノーザンディクテイター産駒らしいパワー型のスピード馬だった。本馬の父コロナドズクエストは芝・ダート兼用だが、アメリカ血統だけにどちらかといえばダートのほうがいい。新馬戦に強いタイプなので初戦から注目したい。

フサイチライジン(牡 美浦・戸田博文 父アドマイヤベガ、母ドルスク)
 半兄にマイラーズS(GII)、北九州記念(GIII)、富士S(GIII)を勝ったミレニアムバイオ、兵庫ジュニアグランプリ(交流GIII)を勝ったアドマイヤタッチがいる。本馬の父アドマイヤベガは、基本的にスタミナタイプの繁殖牝馬と相性がよく、キストゥヘヴン(06年桜花賞-GI)やアドマイヤフジ(06年日経新春杯-GII)を始め、代表産駒はいずれも図太いスタミナ血脈を母系に抱えていた。本馬の2代母ラドルチェはバリバリのスタミナ血脈。アドマイヤベガ産駒の成功するパターンに当てはまっており期待できる。

フサイチワイバーン(牡 栗東・山内研二 父クロフネ、母インディスユニゾン)
 母インディスユニゾンには出走歴はないが、フサイチエアデール(99年報知杯4歳牝馬特別-GIIなど重賞4勝)の全妹にあたる良血。これにクロフネを付けて本馬が誕生した。全姉クロノロジストはデビュー戦を経験馬相手に快勝し、2戦目も3着となった素質馬。クロフネ産駒なのでマイル前後のダートを得意としそう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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