東京湾C(5月7日 船橋 サラ3歳 別定 SIII 1700m)
今年で22回目を迎える「東京湾C」だが、87年〜03年までは12月上旬、おおむね「東京大賞典」選出モレの3歳馬が、来季へ向けて覇を競った。第1回イナリワン、第8回アマゾンオペラ、さらに第16回エスプリシーズ。勝者の顔ぶれはそれぞれ思い入れが強いものの、まあこれはデータというよりノスタルジーになるのだろう。04年からは「羽田盃」→「東京ダービー」の谷間、ステップレースへ変貌した。その新生04年、いきなりアジュディミツオーが登場する。キャリア3戦目ながら逃げて圧勝。昨今の船橋ハイレベルを含め、「東京湾C」自体が“出世レース”といえなくもない。勝ち馬のダービー成績は、一昨年シャイニールック4着、昨年ウエスタンローレル5着。「羽田盃」でディラクエが敗れた以上、“遅れてきた馬”にも望みが出てきた。見方によっては上位拮抗。馬券的にも面白さがある。
◎モエレラッキー
(張田・55)
○ミハタマイオアシス
(赤嶺・54)
▲オーラガイア
(石崎隆・54)
△ギャンブルオンミー
(内田博・54)
△ヴァイタルシーズ
(酒井・56)
△ドリームスカイ
(的場文・55)
△バルバンクール
(御神本・54)
ミサトアンバード
(森・54)
ブライトフェース
(佐藤博・55)
ノースダンデー
(繁田・55)
モエレラッキーのスピード能力を素直に買う。前走川崎「クラウンC」は6馬身差大楽勝。抜群のスタートから快ピッチで飛ばし、しかも直線GOサインと同時に後続を一気にちぎった。単なる逃げ切りではなく、“先行伸びる――”そういう言葉がぴたりとハマる。1600m1分40秒2。同開催、確かに軽めの馬場だったが、前日4歳最大の成長株とされるタキオンスピリットが1分42秒1(古馬B2特別圧勝)だから、数字上も十分胸が張れるだろう。当時初めてつけたブリンカー、加えて左回りへの好感触。事実レース後陣営は、ノータイムで「次走は船橋、東京湾C」と明言した。1600m→1700m程度なら能力減も考えにくい。2000m「東京ダービー」出否は微妙らしく、それだけに今回全力投球で臨む。
ミハタマイオアシスは、逆に“ダービー”を意識した出走にみえる。権利(賞金面で)を確保したいこと、能力を確認したいこと。ともあれ昨秋「ゴールドジュニアー」でニックバニヤンを凌ぐ末脚をみせており、この相手で船橋1700mなら差し切りも夢ではない。前走不完全燃焼に終わったオーラガイア、ドリームスカイ、バルバンクールも、素質、潜在能力は、ほぼ互角という評価をした。前走捲る競馬で新境地を開拓したヴァイタルシーズは、ここでもう一度試金石か。正直予想上は、△が足りない。ひとまず◎モエレラッキー、本線ミハタマイオアシス…が買いたい馬券。印が回らなかった馬ではミサトアンバードに未練が残る。