スマートフォン版へ

キンカメ産駒のハイレベルな好配合馬ショウナンサミット

  • 2008年05月13日(火) 17時48分
「2歳」
プリモカラーズ(牝 美浦・伊藤圭三 父アグネスタキオン、母ミンデンローズ)
 母ミンデンローズはまだこれといった産駒実績は残していないが、その母Winning Colorsはケンタッキーダービー馬で、全妹ゴールデンカラーズはクイーンC(GIII)2着馬。きわめてポテンシャルの高い血統なので、繁殖牝馬として大物を送り出す可能性がある。本馬の父はアグネスタキオン。芝・ダート兼用のマイラーで、仕上がりは早い。

メジロシャレード(牝 美浦・大久保洋吉 父マンハッタンカフェ、母メジロドーベル)
 母メジロドーベルはオークス(GI)、エリザベス女王杯(GI)[2回]、秋華賞(GI)、阪神3歳牝馬S(GI)と5つのGIを制した名牝。ただ、繁殖牝馬としては、初子のメジロヒラリー(父エルコンドルパサー)が未出走のまま引退し、3番子のメジロアレグレット(父アグネスタキオン)は6戦未勝利と、まだ結果を出していない。本馬の父はマンハッタンカフェ。Mehrabi=Gallant Man 6×6というスピード豊かな同血クロスがあるのは心強い。芝向きの中距離タイプ。

ショウナンサミット(牡 美浦・大久保洋吉 父キングカメハメハ、母バブルウイングス)
 半姉に阪神ジュベナイルF(GI)を勝ったショウナンパントル(父サンデーサイレンス)がいる。父キングカメハメハは今年の2歳世代が初年度産駒で、ハイレベルな繁殖牝馬から200頭近い産駒が誕生している。本馬はそのなかでもトップクラスに評価できる好配合馬だ。Nureyev≒Sadler's Wells 4×3という4分の3同血クロスは、Kingmambo系の必勝パターン。Kingmamboの代表産駒であるエルコンドルパサー、Divine Proportions、Virginia Waters、Henrythenavigatorは、いずれもこのクロスを持っている。

ストッププレス(牡 美浦・河野通文 父ジャングルポケット、母ノンストップラブ)
 母ノンストップラブは2勝馬だが、ダービー馬タヤスツヨシと4分の3同血の関係にある良血馬。「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」で、母系の奥にNorthern Dancer、Caro、Buckpasser(とLa Troienneの凝縮)がある配合パターンは、ジャンルポケットの代表産駒であるフサイチホウオー&トールポピーの兄妹とまったく同じ。配合レベルはきわめて高く、上級クラスへの出世が期待できる。

「3歳」
リュクス(牝 美浦・藤沢和雄 父Fasliyev、母スターベゴニア)
 母スターベゴニアはリブルスデイルS(英G2・芝12f)の2着馬。父Fasliyevは現役時代、愛、英、仏で5戦全勝の成績を挙げて全欧2歳チャンピオンに輝いた名馬。初年度産駒がデビューした03年、いきなり全欧2歳チャンピオンサイアーとなり、新種牡馬の2歳勝ち馬頭数の世界新記録(34頭)を樹立した。今年から日本で種牡馬入りしている。マル外として入った馬からは、まだこれといった活躍馬は出ていない。本馬はNureyev≒Sadler's Wells 2×2という大胆な4分の3同血クロスがある。これが吉と出ればおもしろい。

ロードアルカディア(牡 栗東・池江泰郎 父アグネスタキオン、母レディミューズ)
 母レディミューズはチューリップ賞(GIII)2着馬で、オークス(GI)では4着と健闘している。2代母シンコウラブリイはマイルCS(GI)、毎日王冠(GII)など6つの重賞を制した名牝。半姉レディプリンセス(父ブライアンズタイム)は成績がイマイチだったが、こちらは父がアグネスタキオンで、配合も素軽くなったので期待が持てる。母の父がティンバーカントリーだけに芝適性が問題となってくるが、母が芝で走った馬なので大丈夫だろう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング