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九州から千葉、そして北海道へ

  • 2008年05月20日(火) 01時30分
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 連休が明け、いよいよ一連の2歳馬トレーニングセールが始まっている。5月12日に「九州トレーニングセール」そして、19日「千葉サラブレッドセール」と続いており、来週はいよいよ北海道に“上陸”である。

 正確には、4月28日に開催された「JRAブリーズアップセール」を皮切りに、今年の2歳市場がスタートしたと言うべきで、これまでのところ、このブリーズアップセールを含め3市場が終了している。

 市場の動向や結果速報などは、たいてい「馬市ドットコム」(管理人・齊藤宗信氏)にアクセスし参照させていただくことにしているが、これまでのところどうやら前年実績を下回る市場が多く、何とも気になる。

 個別に見て行くと、以下の通りだ。

1.JRAブリーズアップセール
2007年 69頭上場 60頭売却 売却率87.0% 総額6億5373万円
2008年 71頭上場 59頭売却 売却率83.1% 総額5億4805万8000円

2.九州トレーニングセール(1歳市場と併催)
[2歳]2007年 24頭上場 11頭売却 売却率45.8% 総額1660万500円
2008年 8頭上場 6頭売却 売却率75.0% 総額1144万5000円
[1歳]2007年 24頭上場 11頭売却 売却率45.8% 総額1459万5000円
2008年 41頭上場 9頭売却 売却率22% 総額1344万円

3.千葉サラブレッドセール
[2歳]2007年 59頭上場 36頭売却 売却率61.0% 総額3億8304万円
2008年 上場54頭 売却30頭 売却率55.6% 総額1億7283万円
[1歳]2007年 上場10頭 売却1頭 売却率10% 総額525万円
2008年 上場7頭 売却0頭

 ブリーズアップセールで前年より約1億円も総額が下回ったのに始まり、九州では、2歳こそ8頭中6頭が売れたものの、1歳は苦戦。そして、千葉では、2歳が前年の半分以下の売り上げに終わり、1歳に至ってはついに落札ゼロという厳しさなのである。

 とりわけ、千葉の結果には、愕然としてしまった。おそらく高額で取引されるであろうと予想されていたアンブライドルズソングやストームキャットの牡馬がいずれも主取りに終わり、その他でも全体的に高額馬が少なかった。昨年1000万円以上で落札された2歳馬は11頭もおり、最高価格馬は5880万円を記録したものの、今年はわずか4頭。最高価格馬も1302万円止まり。

 また昨年は売却された36頭のうち、税抜き500万円(税込み525万円)以下の取引馬は8頭に過ぎなかったが、今年は一気に増えて30頭中19頭が税抜き500万円以下の価格帯であった。

 いずれの市場も現地に行っていなので、何とも分からない部分が多いのだが、少なくとも数字だけ見る限りでは、相当な落ち込み方である。

 この流れが北海道に舞台を移しても続くものか、それとも、北海道の2つの市場(26日、HBAトレーニングセール、27日ひだかトレーニングセール)ではまったく別の結果が出るものか、今の段階では何とも判断できない。

公開調教リハーサル01


公開調教リハーサル02


公開調教リハーサル03

 これら2つの市場に上場予定の2歳馬は合わせて344頭(HBA219頭、ひだか125頭)に上り、その結果次第では7月以降に予定されている1歳市場へ影響を及ぼす。

 「1歳で仕入れて2歳トレーニングセールで売却する」ピンフッカーが1歳市場にてどれほどの購買力を示すかは、ひとえに2歳市場の動向にかかっていると言っても過言ではない。ともあれ、多くの馬が売却されることを願ってやまない。来週はこれら2つの市場についてお伝えする予定だ。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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