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加藤征弘調教師 Part7 加藤師期待の2歳馬は!?

  • 2008年06月04日(水) 14時50分
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 例年、POGのドラフトが行なわれるこの時期、内国産馬からマル外まで、良血馬がズラリと名前を連ねることで注目を集める加藤征弘厩舎。


加藤征弘調教師

 今年も良血馬たちが入るとの情報が流れているので、こちらが“2歳馬”と切り出そうとすると、「クラブさんなどで発表されている馬以外は、今年は極秘で行こうと思っているから話さないよ」と先を越された。

 現在、馬名登録、あるいは発表されている馬たちの中にも、短距離路線で活躍するダノンムローの半妹ジェットスパークル(父シンボリクリスエス)や、カナダ2歳チャンピオン・レアフレンズの半弟にあたるキングスリージョン(父キングカメハメハ)をはじめ、シャドウゲイトの半妹(父グラスワンダー)など、期待の良血馬たちが並ぶ。

 そのなかで、すでに入厩を果たしデビューに向けて調整が進められているシルバーチャーム産駒のウインリーズン(牡)の評判がとても良いのだ。師にウインリーズンの話を向けると、「そうなんだよ!」と肯くのであった。

「体もしっかりとしていて、なかなか良い動きをしている。実際に乗っている人間たちも『良いモノを持っている』と口を揃えて言うし楽しみな馬だよね。このまま順調にいってくれれば」

 今のまま順調に進んだならば、加藤征弘厩舎の2歳馬デビューのトップバッターとなりそうだ。

 正式な発表はされてはいないのだが、公然の事実として知られる1頭が、今年の春、イギリスのドンカスター・ブリーズアップセールで落札されたMr.Greeley産駒(Mountain Melodyの06)が入厩予定とされている。

 この名前を告げると、「やっぱりバレちゃうんだね」と苦笑いを浮かべながら、「その通り」と認めるのであった。

「素軽さがあって、スピード感が溢れるフットワークをしているんだ。そこに惚れて決めさせてもらったんだよ」

 購入の決め手について、口にした加藤征弘調教師であったのだが、「じゃあ、もう1頭だけサービスで教えましょう!」と悪戯っぽく笑うと、「エクセレントアートを知ってる?」と聞いてきたのだ。

 もちろんだ。現在、世界的に人気を誇るPivotalの産駒で、現役時代にはセントジェームスパレスSを勝ち、アイルランドのクールモアスタッドで種牡馬として100頭以上の種付けを行なう超人気種牡馬である。

 こちらの言葉に「はい、正解」と肯くと、「その妹がいるんだよ」と仰天発言をする加藤征弘師。

 「タタソールズのセールに上場されていて、普通に考えれば高いのは当たり前だろ? 実際、姉は繁殖牝馬セールで9000万円の値で落札されているくらいだから。各検査も異常がなかっただけに、正直落ちないと思った。そうしたら、落ちちゃった。ハッキリ言って“血統”だけで買ったんだよ。こんな血統は、普通じゃ買えないからね」

 表情を緩めた加藤征弘調教師は、「父はファルブラヴで、マル外ファルブラヴになるんだよ。しかも牧場での動きをみると、スピードがありそう。当たりかも」と付け加えた。わざわざ自分から言ってきたあたりに、その自信が伺えるのであった。

続く

加藤征弘(かとう ゆきひろ) 美浦所属 1965年9月14日生まれ、東京都出身。厩務員、調教助手として活躍した後、平成14年から美浦所属の調教師として開業。2004年にはピットファイター(武蔵野S)で重賞初勝利。昨年5月にはシャドウゲイトがシンガポール航空国際を勝利し、初のG1制覇を達成した。2003年から5年連続して優秀調教師賞(関東)を受賞している新進気鋭の若手調教師。

※当コラムは加藤征弘調教師編をもって終了いたします。

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