雨が降りしきる栗東CW。雨粒を切り裂くように
マジェスティハーツが、
レントラー(3歳500万下)の外へ一気に並び掛ける。ずっと調教をつけてきた相棒の背で森が促した
ゴーサイン。あうんの呼吸で加速に転じた。
手綱を押したら返ってくるのは抜群の手応え。きっちり最後まで併せ切るのに加減が必要かと、2度その手が止まる。相手の動きに合わせる絶妙のさじ加減で、首差遅れてゴール線を通過した。
相手はGIの常連だった
ウインバリアシオンの併走パートナーも務めていた調教駆けする馬でもある。5F68秒2-38秒2の時計に、森も「形式上遅れになりましたが、全く気になりません」と納得の表情だ。ラスト1F12秒0と切れ味を見せ、「馬場はあんまり良くなかったが、動きは良かったですよね。変わらず、いい状態をキープしていますよ」と高評価を与えた。
前走の
関屋記念は馬群の中からただ一頭突き抜けてきて2着。「着順は悔しい。でも内容的には、この馬の良さが生きたレースでした」と鞍上は前を向く。サマーシリーズに合わせ、距離を意識した路線選択をする馬が多いなか、差し脚強力なこの馬の特性の生きる新潟再遠征を決めた。
「新潟は競馬がしやすい。2000mならもっとレースがしやすいと思います。賞金上積み? それより、何としても勝ちたい」と気合が入る。それもそのはず、同馬の4度の重賞2着のうち3回が森とのコンビ。人馬ともに今度こそ初タイトルをつかみたい。
提供:デイリースポーツ