本来の動きとともに、
リアルスティールが帰ってきた。最終と併せ馬。先行するパートナーを目標に快調に登坂。徐々に差を詰め、残り1Fで
ゴーサインが出ると、鋭い反応で僚馬を一気に置き去りにした。残り100m手前ではソラを使う“余裕”も。最後は手綱を詰めて気持ちを入れ直すと、4F51秒8-37秒4-12秒4で2馬身先着した。
騎乗した渋田助手は「自然と出た時計だし、先週もしっかりとやれていますからね。サッと、というイメージで、全く無理はしていませんよ」と言い切る。ダービー4着後に左第1指骨を剥離骨折したが、回復は順調。「きょうのテーマは、折り合いと息の入りとラストの反応の確認。骨折休み明けとしては、状態にも、仕上がりにも何の不安もないです」と声を弾ませる。
故障の程度が軽かったことが不幸中の幸いだった。前走後は滋賀県のノーザン
ファームしがらきへ放牧。7月から調教を開始し、影響を最小限に食い止めることができた。担当の柿崎助手は「トモ(後肢)がしっかりとしました。以前、逍遙馬道で坂路へ向かうときは、ほかの馬についていけずにダク(速歩)になっていたのが、今はリズミカルに歩けています」と成長ぶりを実感する。
1週前100%には仕上げないだろうけど、力的にもここは勝ってもらわないとね」と復帰初戦から期待は大きい。
3年前、厩舎の先輩であるダービー馬
ディープブリランテは、
菊花賞の最終リハ後に故障し、クラシック最終戦の舞台に立てなかった。「その分もこの馬にかけているし、一戦一戦無事に、と思っています。期待される責任も受け止めている。何とか結果で応えたいですね」と渋田助手。2冠馬
ドゥラメンテが不在で混戦模様の
菊花賞戦線。前哨戦を制し、主役として本番に駒を進める。
提供:デイリースポーツ