今週の栗東は2日が快晴、3日が雨という天気。2日は調教開始時刻が1℃とかなり寒くなったが、3日は雨が降っていたこともあり、気温は高かった。雨が降っている状況での追い切りということで、走りにくそうにする馬も少なくなかった。ただ、天気予報通りということもあって、追い切りは2日に集中している。
【坂路/4F51.9秒】
2日。一番時計は
セトアロー(栗東・
森秀行厩舎)の4F50.0秒。もう1頭の4F50秒台(50.9秒)は
プレイズエターナル(栗東・安田隆行厩舎)だったが、ラスト1Fが12.0秒と伸びていただけに、テンからスピードに乗っても、後半もしっかり動ける馬が多い馬場。4F52秒を切っている頭数も多いので、走りやすい馬場だったことは間違いない。
朝一番の馬場で追い切った組は
ローマンレジェンド(栗東・
藤原英昭厩舎)の2F24.3秒を筆頭に、2F25秒以下をマークしている馬が多い。
フルールシチー(栗東・
西園正都厩舎)が2F24.4秒、
グレートエンジェル(栗東・
西村真幸厩舎)の2F24.6秒といった感じ。
よって、時計だけではなかなか判断しにくい馬場だが、数字は関係なく評価したいのが、
ステイヤーズSの出走を予定している
スズカデヴィアス(栗東・橋田満厩舎)。前走時は長期休養明けということもあって息切れするレース内容だったが、ひと叩きした今回は明らかな良化気配。2日の最終追い切りでもラスト1Fが最速になるラップを踏めており、自分のペースで競馬ができれば、今度は粘りが違ってくるだろう。
先週の馬場差が「±0.0秒」。3日は雨が降ったので、少し馬場差を重くすることも考えたが、4F50秒台も出ており、極端に雨の影響を受けたという印象はない。よって2日、3日とも『±0.0秒』の馬場差で記録している。
【CW/5F66.5秒】
乗り手の「走りにくい」というコメントは相変わらず。だから今週にかぎってその影響が出たというわけではないのだろうが、全体的な時計の出方を見ていると、少し時計を要している。
2日は
中山大障害(12月26日・芝4100m)を目指す
アップトゥデイト(栗東・
佐々木晶三厩舎)が単走での追い切り。元気いっぱいで、向正面で行きたがるようなところがあって、ラップが速くなった分、最後は流すような形だったが、まだ余力はある感じ。それで6F81.3秒だから、目一杯ならもっと速い数字になっただろう。
3日は阪神JF(12月13日・阪神芝1600m)の1週前追い切りを行った
ウインミレーユ(栗東・
梅田智之厩舎)。
松山弘平騎手が跨って、
クラウンヴォルカンとの併せ馬だったが、3馬身ほど追走して、直線は内から追い抜く形。ラスト1Fを切ったところで、しっかりと前に出て先着。時計は6F83.7〜5F69.0〜4F54.8〜3F40.8〜1F13.0秒と平凡だったが、楽に併せた相手に先着した点を評価したい。
先週の馬場差が「-0.5秒」。3日は雨の影響があったものの、2日は天候の影響なし。それで先週よりも時計を要する馬場差とするのは難しいところだが、全体的な数字を見ると、やはり先週よりも重い馬場という判断にするのが妥当。よって、馬場差は2日、3日とも『±0.0秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は2日が晴れていたこともあり、ここ数週に比べると芝で追い切られた頭数は落ち着いた。馬場は乾いていると思われるが、時計を要するのは前週までと変わっていない。よって馬場差は2日、3日とも『+1.0秒』で記録している。
今週のポリトラック馬場の追い切り頭数は比較的多い。先週に比べると、水分が抜けていることもあって、極端に時計が出る馬場ではなかった。とはいえ、
チャンピオンズCに出走予定の
ニホンピロアワーズ(栗東・
大橋勇樹厩舎)が、ラスト1F10.7秒をマークするなど、ポリの常連であれば走れる状態。馬場差は2日、3日とも先週同様『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)