阪神ジュ
ベナイルF(GI・芝1600m)に美浦から出走予定の6頭について、最終追い切り後の各調教師のコメント。
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メジャーエンブレム(牝2・美浦・
田村康仁)について、田村調教師。
「クラスが上の古馬がかなわないくらい時計が出ますので、あまりやらないように指示をしました。まだ若さがありますが、だいぶ体を作れるようになってきました。この馬の兄は手のかかるところがありましたが、この馬は良い子ですし調教でも乗り手に従順です。普段もおとなしくておっとりしています。身体能力は高いですが、そうは言ってもまだ子供ですし、化骨してしっかりとするまでは無理をしないローテーションで使ってきました。
前走の
アルテミスS(2着)は、残念な結果でした。調子は本当に良かったんですよね。その分、ジョッキーが考えていたよりも強くハミを取ってしまったのかもしれません。ただ前に行った他の馬が全滅した中で、この馬だけが残っていましたし、頑張ったと思います。最後に出し抜けを食らった形になってしまいましたが、それを含めて競馬ですからね。折り合いは普段から特に心配していませんでしたが、前走であのような形になりましたので、同じ失敗をしないように調整をしてきました。馬の後ろでもコントロールができていますし、仕掛ければ伸びてくれます。
レースを使うたびにノーザンF天栄に放牧を出して、美浦との往復をしていますので、輸送に関しては心配していません。飼い葉は食べてくれますし、体もありますからね。乗り手の指示に従ってくれれば、どのようなレースをしても大丈夫でしょう。デビュー前に馬場の悪い坂路で馬なりで上がってきたように力がありますので、道悪になっても大丈夫です」
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クードラパン(牝2・美浦・
久保田貴士)について、久保田調教師。
「先週ある程度やっていてそれなりに
テンションも上がってきていますので、今週は終いの反応を見る追い切りでしたが、感じは良かったです。前走の
サフラン賞(500万下)で結果が出せなかったら
アルテミスSも考えていましたが、勝てたのでゆったりとしたローテーションを組めました。気性面で難しいところがある馬なので、おかげで馬を追い込まなくて済んだのは良かったです。
完成度が高くどんな競馬でもできそうですし、阪神も苦にしないと思います。GIでメンバーは強いですが、それでどこまで来てくれるか楽しみですね。新潟で前日輸送を経験していますし、今回も前日の土曜日に輸送する予定です」
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メジャータイフーン(牝2・美浦・
高柳瑞樹)について、高柳調教師。
「先週木と日曜日にしっかり乗れていますし、輸送があるので今週は無理をせずに馬なりでの追い切りでした。ジョッキー(川島信二騎手)に感触を掴んでもらえればという内容でしたが、良かったですよ。これからの馬でまだ距離についての
ジャッジはできませんが、1600mは大丈夫だと思います。輸送の心配はありますね。昨日の馬体重は474キロでしたが、少し減っての出走になるかもしれません」
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ウインファビラス(牝2・美浦・
畠山吉宏)について、畠山調教師。
「今日はポリトラックで追い切りましたが、併せた相手が2歳の未勝利馬ということもあり、並ぶ間もなかったですね。前走の
アルテミスS(5着)はここを見据えての仕上げでしたし、折り合い重視の競馬で、
新潟2歳S(GIII・2着)とは違う形のレースとなりました。それでも重賞で掲示板に載っていますし、悪い内容ではなかったと思います。回数を使いながら、レースでの走りも進歩しています。福島、新潟と輸送を経験していますし、2回とも体は減っていませんでしたので、問題ないと思います」
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ペルソナリテ(牝2・美浦・
相沢郁)について、相沢調教師。
「小柄ですけど全身を使って走りますし、バネがあります。今日の追い切りもそのような感じの走りでした。単走での追い切りでしたし、やればもっと動く馬ですから、あのくらいの内容で十分だと思います。前走の
新潟2歳S(GIII・4着)は馬場も悪かったですし、勝った馬が化け物でしたからね。元々小柄なので馬体に関しては気にしていませんが、パンパンの良馬場でやりたいですね」
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マシェリガール(牝2・美浦・菅原泰夫)について、菅原調教師。
「前走の兵庫
ジュニアGP(JpnII・4着)は園田までの輸送を考慮して調整をしたのですが、数字以上に重かったようです。ダートは下手ではないと思っていたのですけどね。今回は前走から間隔も開いていませんし、うまく仕上がっていますが、マイルの距離はギリギリかなとは思います。中京や北海道、園田などあちこちに行っていますので、輸送は心配していません。土曜日に輸送する予定です」
(取材・写真:佐々木祥恵)