11日(月)に行われる3歳牝馬同士の一戦、
フェアリーS(GIII・芝1600m)に出走予定馬をピックアップして、管理する各調教師に話を聞いた。
■メンバー中、唯一の2勝馬、
クードラパン(牝3・美浦・
久保田貴士)について、久保田調教師。
「前走(阪神JF・GI・13着)は内で良い(2枠4番)枠だと思いましたが、外から包まれて力んでしまいました。勝ちに行く競馬をして最後はあっさり下がってしまったので、G1ではまだ力が足りなかった感じですね。前走後は短期放牧に出しましたが、レースを使ったダメージはなかったです。この後、強い馬たちがどんどん出てくるでしょうし、賞金加算もしておきたいので、ここを使うことにしました。今日の追い切りは、半マイルから行って終いだけ反応を確かめる内容でしたが、反応も良かったです。変わらず順調に来ていますね。あとはいかに
リラックスして走れるか。前走も力んでしまって追ってからが物足りなかったので、いかに
リラックスして走れるかでしょうね。先週坂路で併せた時には、まだ少し力んで反応も今ひとつでしたので、今日はあまり力ませないような追い切りをしました。走るたびに体も増えていっていますし、まだ変わってくると思います」
■
シーブリーズラブ(牝3・美浦・
池上昌和)について、池上調教師。
「多少疲れがあったので、阪神JFは自重しました。どこかが痛いなど異常があったわけではないですし、1週間ほど楽をさせて年末、今日とジョッキー(
横山典弘騎手)に追い切りに乗ってもらい、(横山騎手にも)無理をしないで良かったという感触をつかんでもらえました。今日も大外を回ってしっかり負荷もかけましたし、やるべきことをやってきました。3歳牝馬でまだ完成していませんし、芯が入ってくるのはまだ先だと思います。ただ前走(未勝利・1着)で見せた瞬発力は目を見張るものがありましたし、重賞に入ってもやれそうですね。エンジンのかかりが遅いタイプでもないですし、終い一辺倒というわけでもありません。それにウッドで右回りもこなしていますので、中山でも問題ないでしょう。重賞である以上、ある程度のメンバーが出走してくると思いますが、僕も新人調教師でしっかり覚えてもらいたいし、人馬ともに良い競馬をしたいですね」
■
ビービーバーレル(牝3・美浦・
中舘英二)について、中舘調教師。
「年末にやっていますので、今日は全体時計が70秒くらいで、直線はシュッとやりました。この馬はどうも競馬に行って運のないところがありますね。ただ不利があったりすると体調が崩れるケースもよくあるのですが、この馬は使うごとに良くなっています。前めの位置で頑張れるのはわかりましたし、以前より馬も良くなっています。競馬に注文がつかない馬ですし、スムーズなレースを心掛けてもらえればと思います。番組の都合で左回りを多く使っていますが、右回りの中山も大丈夫でしょう」
■
コパノマリーン(牝3・美浦・
斎藤誠)について、斎藤調教師。
「精神的にも一杯な感じもあり、完全に仕上がっていますので、今日は半マイルからサーッとやりました。前走(新馬・1着)は時計が遅かったですけど、結構走れる馬だと思いますよ。動き的にはここでも通用して良いと思いますし、楽しみな面が大きいですね」
■
アルジャンテ(牝3・美浦・
尾関知人)について、尾関調教師。
「新馬(4着)を使って2戦目(未勝利・1着)に向かうまで、馬に少し疲れが出て次に向かっていけるのかという時期がありましたが、よくこらえて頑張ってくれました。まだこれからの馬ですけど、基礎体力もあるのかなとは思いました。先週はウッドチップコースで前の馬を追いかける形で追い切りましたが、今日は逆にこの馬が前で走る形で坂路でやりました。動きも良かったです。ゲート練習は昨日もやって、ある程度普通に出ましたし、ゲートはさほど気にしなくて良いでしょう。東京の1400mで好走する馬は、中山のマイルでもやれると思っていますので、前走後はここを使ってみたいというイメージはありました。想像以上に強い勝ち方を前走もしてくれましたし、ここでもどんな競馬をしてくれるか楽しみです」
■
ラブリーアモン(牝3・美浦・谷原義明)について、谷原調教師。
「以前中山のマイル(未勝利)を使った時は、スタートで挟まって外を回る形になっての3着でしたし、前走(未勝利・1着)では負かした相手が強かったので、ここでもヒケはとらないと思います。前走後は十分間隔を取ってしっかり調整をしてきました。今日は武士沢騎手が乗って併せ馬で追い切りましたが、さほど強い調教が必要がないですし、これで丁度良くなるでしょう。最初の頃は馬を怖がる面がありましたが、武士沢騎手がいろいろと教えながら育ててくれて、競馬にも慣れて力を出せるようになりました」
■
ダイワダッチェス(牝3・美浦・
菊沢隆徳)について、菊沢調教師。
「ここのところ、常に1番人気を背負って負けていましたので、前走(未勝利)は勝ててホッとしました。頭の高いフォームなので、この中間は
シャドーロール以外に舌を縛って調整しましたが、効果はありますね。前回と同じ馬装で今回も出走させる予定です。前走後は山元トレセンで調整をしてもらって、年末に帰厩しました。年末、年明けの4日間で出走態勢は整うようにしてきました。年始から休みなく調教するのは初めてですし、気性面を考え1週前にしっかりとやって、中間は微調整という感じです。春の目標は1600mになると思いますし、その距離を持たせられるように調整をしていきたいですね。馬体重はさほど変わりませんが、背丈が伸び、体質もしっかりしてきました。課題もまだありますので、1つ1つ克服していって良い競馬ができればと思います」
■
ボーアムルーズ(牝3・美浦・
栗田徹)について、栗田調教師。
「先週の追い切りは、終いが浮いてくるような感じで物足りない動きでしたが、今週の動きを見ると上積みを感じます。大野騎手も体の使い方が良いと言ってくれました。レース中に軽度の骨折をしてまだ1戦しかしていませんが、その時の新馬勝ちの内容が良かったですし、期待しています。この春は良い競馬をしたいですね。」
■
ラシーム(牝3・美浦・
栗田徹)について、栗田調教師。
「力みや硬さがないか確認しながら調整をしてきましたが、大丈夫そうですね。飼い葉も食べていますし、タフな馬です。気負うところもなくて指示にも従うタイプで、ジョッキーも良い馬だと話をしていました」
(取材・写真:佐々木祥恵)