先週も少しお伝えしているが、坂路馬場はウッドチップの入れ替え作業が行われており、今週の追い切り時には走路がきれいに新しいウッドチップとなった。ウッドチップの場合、入れ替えたからといって時計が出やすいわけではなく、チップの入る量などによっては、かなりフカフカとした状態で、力が必要となって時計を要するケースがある。
なお、天候に関しては、20日は朝一番が6℃と少し肌寒い感じだったが、日中は春らしい陽気。21日は気温は下がっていないが、調教時間が終了した頃から小雨となっている。
【坂路/4F51.9秒】
20日。一番時計は
サングラス(栗東・
谷潔厩舎)の4F50.6秒。前走時の最終追い切りも同じような時計だったが、ラスト1Fが前走時11.9秒だったのに対して、今回は1F12.5秒。このあたりの数字の変化が馬場差になって表れており、どうしてもスピードに乗ると3F目が速いラップになり、最後のひと踏ん張りが利きにくい馬場となっている。
よって、今週もラスト1Fで11秒台をマークした馬は皆無。12.4秒以下というのもかなり少なくなっており、このレベルで動けている馬に関しては状態の良さを強調したいところ。4F51.5秒で動きつつ、ラスト1F12.4秒でまとめてきた
グァンチャーレ(栗東・
北出成人厩舎)はそれに該当するのではないだろうか。
21日。一番時計は
ニシケンモノノフ(栗東・
庄野靖志厩舎)の4F50.7秒。それ以下の時計を含めて、時計の出方はほぼ同じ。そんな中で同厩
エルリストンと併せ馬を行った
ダイシンサンダー(栗東・
須貝尚介厩舎)は4F53.0〜3F38.2〜2F24.4〜1F12.1秒と終いの伸びが特筆もの。来週のレースを予定しているが、状態に関しては申し分ないだろう。
先週13日の馬場差が「+0.6秒」。本文にも記したように、ラスト1Fで時計を要するケースはあるものの、道中のラップが遅くなるといったことはないので、今週の馬場差に関しては、20日、21日とも『±0.0秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
20日。トレセンニュースでは
天皇賞・春の1週前追い切りを中心にお送りしたが、
日本ダービーの
トライアル、
青葉賞(4月30日・東京芝2400m)に出走を予定している有力馬の1週前追い切りも見ごたえがあった。
アザレア賞で2勝目を挙げた
ヴァンキッシュラン(栗東・角居勝彦厩舎)は、前に
エキストラエンド、後ろに
エルビッシュという3頭併せの真ん中。最後の直線は楽に
エキストラエンドを追い抜くと、内から差を詰めた
エルビッシュを置き去り。
エキストラエンドが鞭を入れて、懸命に追いすがるも追いつくことなく先着。レース間隔が詰まっていても、これだけしっかりと追えるあたり、ここに来ての充実ぶりを示している。
ゆきやなぎ賞で2勝目を挙げた
ノーブルマーズ(栗東・
宮本博厩舎)は
ヒロノチャンバーとの併せ馬。3馬身ほど追走していたが、最後は大きく突き放してのゴールで大先着。6F82.7秒、1F12.4秒という時計の
バランスもよく、こちらも状態に関しては文句なし。
先週13日の馬場差が「-0.3秒」。今週も全体的な時計の出方を見ていると、ほぼ同じような時計の並びなので、20日、21日とも『-0.3秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は20日に
河内洋厩舎の併せ馬が1組あっただけ。その動きを見ていると、先週の雨の影響はすでになくなっているので、馬場差に関しては、20日を『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は、先週に比べると少し減っている。単走だったが、ロードグ
リッター(栗東・
藤岡健一厩舎)は1F11.0秒の伸び。動きに迫力があったし、前走惨敗からの巻き返しは必至だろう。馬場差は20日、21日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)