■4月18日 中止や中断、開幕延期。国内スポーツのほとんどが新型コロナウイルス禍で止まる中、アスリートによる対コロナ支援の輪が広がっている。日本プロ野球選手会は、クラウドファンディング企業が立ち上げた基金を通じた寄付活動を始めた。中央競馬でも騎手が動いた。日本騎手クラブが13日、支援のための基金を設立すると発表した。
JRAのレースに1回騎乗するごとに1000円を積み立てる。期間は11日から当面の間で、年末まで実施すれば、同期間にあたる昨年の桜花賞節以降の出走延べ頭数は3万4900頭だから約3500万円。相当な額になる。
競馬は、国内で唯一開催されているメジャーなスポーツ。武豊騎手が「現在、無観客ではあるものの、競馬開催を続けられていることに騎手一同、大変感謝しているところです」という文章を騎手クラブ会長として出したように“恩返し”の気持ちもあるだろう。
謙虚なJRAはアピールしないが、中央競馬は馬券の売り上げの10%を国に納め、社会福祉や畜産振興に貢献している。馬券を100円買えば、そのうちの10円が国に納付される。さらに1年間の利益の半分を納付する第2国庫納付金もあり、昨年は合計で約3200億円が国の一般財源に繰り入れられている。
中央競馬は、コロナ禍で揺れる国を娯楽と財源の両面で支えているわけだ。今週からは騎手と馬の移動制限など感染防止策を強化して、19日にクラシック3冠初戦の皐月賞を行う。サラブレッドは走る芸術品と呼ばれるほど、躍動感にあふれて美しい。テレビでもその美しさは伝わるはず。競馬に興味がなかった方も、この機会にぜひ、サラブレッドの魅力に触れてほしい。(鈴木学)
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