「プロキオンS・G3」(10日、中京)
波乱の幕開けとなった先週の中京開催。オープニングの
CBC賞を制したのは、ダートで力を蓄えた伏兵
レッドファルクスだった。短距離ダートのスター候補がそろった今週も“二刀流”に注目だ。昨年のNHKマイルCの覇者
クラリティスカイが、ダートで新境地を見いだす。父は“砂の怪物”と呼ばれた
クロフネ。馬体や走法からも、初砂で変わる余地は十分にある。
夏の太陽が燦々(さんさん)と降り注ぐ栗東トレセン。馬場開場が午前5時に早まったとはいえ、調教が始まれば人も馬も汗だくだ。全休日明けの5日、初ダートに挑む
クラリティスカイは、午前7時にCW→坂路を1本。イキのいい4歳馬らしく、元気いっぱいに坂を駆け上がった。
人も馬も移動が多い季節。函館帰りの安田助手が、鞍下の感触を伝えた。「いつもの
クラリティでしたよ。馬はすごく落ち着いていました。あまりカリカリし過ぎると良くないタイプですが、ほどほどに落ち着いているし、状態は良さそうです」。
京王杯SC13着から中7週のローテ。この中間は、
天皇賞・春に挑んだ
シュヴァルグランと再三に渡る併せ馬をこなした。「順調です。フォームがゆったりしているのがいいですね」と同助手。状態はいい。あとは結果を出すだけだ。
昨年のNHKマイルCを制した後は、3戦して全て2桁着順。不振を脱するために、陣営は芝からダートへかじを切った。G1馬だけに今回の斤量58キロは仕方がないが、500キロ近くある馬体は筋骨隆々。仕上げ人は「
クロフネっぽい感じの走りで、
パワーがあります。調教では前脚でガッチリとチップをつかむようなフォーム。ダートで新味を見せてほしい」と期待を寄せる。
父クロフネは01年NHKマイルCを制した後、秋にダートへ転向して武蔵野S→JCダートを圧勝。偉大な父の足跡をなぞり、ここから“二刀流”の道を切り開く。
提供:デイリースポーツ