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騎手目指す名古屋の中3 夢は凱旋門賞制覇

  • 2020年09月27日(日) 20時57分
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 フランスで開催される競馬「凱旋門賞」の日本人騎手初制覇。大きな夢を掲げる、名古屋市瑞穂区の中学3年、宮国琉妃(るい)さん(15)は、騎手になるための競馬学校への入学を目指し日々トレーニングに励む。新型コロナウイルス感染拡大の影響で乗馬できない時期もあったが、逆境に負けずに夢を追い続けている。

 スポーツジムで不安定なバランスボールの上に立つ。騎手に必要なバランス感覚や体幹を鍛えるトレーニングだ。週2~3回ジムに通い、毎日5キロのランニングを欠かさない。土日は中京競馬場の乗馬クラブで早朝から汗を流す。夏休みはほぼ毎日、午前6時半過ぎから馬に乗った。

 幼い頃から父伸幸さんと一緒に競馬を観戦するのが好きだった。小学5年の時、テレビで凱旋門賞を見ていた際、まだ日本人騎手が誰も優勝していないことを知り「私が初優勝をとりたい」と強く思った。それからは夢に向かって一直線。早起きが続いても、トレーニングが厳しくても、落馬して痛い思いをした時でも、「弱音を吐かず、目標に向かって頑張り続けてきた」と、隣で見守ってきた伸幸さんも驚きを隠さない。

 騎手になるには競馬学校の卒業が必須だ。宮国さんが目指す「JRA競馬学校」は千葉県白井市にあり、合格すれば親元を離れて寮生活となる。狭き門を突破して入学しても騎手になれる保証はない。また、競馬学校は学校教育法などに規定される高等学校や専修学校に当たらないため、競馬学校を卒業しても高校卒業の資格は得られない。退路を断っての挑戦だが、宮国さんは「早く馬を第一に考える生活がしたい。不安はない」と言い切る。

 新型コロナウイルスの感染が拡大したのは、入学試験に向けて準備を加速させようとした矢先だった。感染予防のため約3カ月間乗馬できず、ジムにも一時通えなくなった。それでも心は折れなかった。マスクをして自宅周辺をランニングし、自身の乗馬姿を映した動画を繰り返し見て、直すべき癖を洗い出した。

 「コロナのおかげで自分を見つめ直すことができた」と宮国さん。ピンチを力に変え、8月中旬の1次試験を見事突破した。

 馬の背中から見渡す景色、風を切る爽快さ。「馬がいないと味わえない感覚が魅力。馬は大切な存在」と目を輝かせる。競馬学校の先にある「世界トップクラスの騎手」の夢を見据え、まずは10月初めの学校の最終試験合格を目指し、今日も汗を流す。
ネタ元のURL
https://mainichi.jp/articles/20200927/k00/00m/040/068000c

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