12月1日に行われた「
ディセンバーセール繁殖牝馬
セッション4日目」をもって、2016年のセール開催を終了したタタソールズ社が、年間売り上げの歴代新記録を樹立したことが明らかになった。
2016年のタタソールズ社は、年間で29日にわたってセールを開催。延べ4920頭が総額2億6551万9379ギニーで購買され、2014年に作った記録を更新したものだ。タタソールズ社にとって今年は、1766年に創業者の
リチャード・タタソールズがロンドンの
ハイドパークで初めてのセールを開催して以来、250年という節目の年に当たっており、おめでたい年に新記録で花を添えることになった。
ただし、10月の1歳馬市場とともに、タタソールズの看板市場となっている11月下旬から12月初旬の繁殖牝馬市場は、総売り上げが前年比で3.9%下落した他、平均価格が4.0%ダウン、中間価格が3.6%ダウンと、縮小気味のマーケットとなっている。英国では、EU離脱問題に伴って、景気の先行きに不透明感がある上に、通貨
ポンドの下落で輸入品の価格が上昇。消費の低迷が懸念されているだけに、競馬産業の2017年も決して楽観視できない情勢にあると分析されている。
(文・合田直弘)