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【いきもの語り】ミライヘノツバサ

  • 2020年12月26日(土) 20時59分
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 今年2月、重賞「ダイヤモンドステークス」で、同馬はJRA重賞史上3番目の高額配当となる単勝325・5倍をたたき出した最下位人気ミライヘノツバサ。

 しかし、けがの再発のため6月に引退。現在は東京競馬場で、誘導馬の見習いとして第2の「馬生」を送っている。

 東京競馬場乗馬センターには、誘導馬や乗用馬など40頭以上が生活する。12月中旬、その中に、ミライヘノツバサの姿があった。

 現在7歳。北海道産に比べて生産頭数の少ない青森県産で、4歳時に右前脚に屈腱炎を発症、長期休養するなど順調とはいえなかったが、25戦5勝の成績を残した。

 「私もこの子も、初心者なんです」。そう語るのは、担当するJRA業務課の富塚剛さん(49)。馬に芸を教え、ホースショーで披露する調教師を25年続けたスペシャリストだが、誘導馬を担当することになり、ミライヘノツバサが初めてのパートナーとなる。

 JRA馬事振興課の課長補佐、荒川昌久さん(39)によると、同馬は引退後に栃木県のJRA馬事公苑で約1カ月半、「リトレーニング」を行った。

 「競走馬のマインドをリセットするために放牧して休ませてから、人間を信頼し、指示を聞くように訓練していきます」と荒川さん。トレーニングには「鈍化」という訓練もある。「草食動物は何かあると逃げたり、蹴飛ばしたりする習性がある。馬が苦手なスーパーの袋をガサガサさせたり、傘を開閉させたりして、慣れさせます」

 富塚さんはけがをした脚のケアに細心の注意を払い、乗るときも負担にならないよう心掛けている。

 鞍などの馬具をつけ、富塚さんを乗せたミライヘノツバサは馬場に入り、まずはゆっくりとした「常歩(なみあし)」で乗用馬としての歩き方を訓練していた。気合が入り、真剣な表情だ。

 「競走馬は前に前にと進む直線の動きを教えられますが、乗用馬になってからは頭を下げ、首や馬体が丸まってくるような動きを教え込みます」と荒川さん。

 レース前になると、隊列を組んで競馬場のパドックや馬場に入り、訓練を行う。ミライヘノツバサは10月25日、最後尾を歩く誘導馬としてデビュー。富塚さんによると、当日は待機中に緊張して汗をかいていたが、問題なく役を務めた。

 「いつかこの子が勝ったダイヤモンドステークスで、誘導馬を務めることができたらうれしいですね」と富塚さんは期待する。
ネタ元のURL
https://www.sankei.com/life/news/201226/lif2012260022-n2.html

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