今週の栗東は7日が雪、8日は曇り、9日が再び雪という天気。8日は気温こそ上がらなかったものの、雨も雪も降らなかったため、追い切りに影響を与えるようなことはなかった。9日は調教開始とともに雪が強まり、しっかりとした積雪となった。
7日に比べて、水分の多い雪だったこともあり、踏むと雪から水分へと変わるようなものだったが、調教時間中はずっと降り続いたため、ウッドチップ馬場はずっと雪が積もるような状態。追い切りを見ていても、1回目と2回目のハローが終了した直後以外は雪を気にして走りにくそうにする馬も何頭かいた。
【坂路/4F51.9秒】
8日。一番時計は4F50.0秒の
レッツゴードンキ(栗東・
梅田智之厩舎)。これに続く、4F50秒台が7頭だったので、走りやすい馬場状態だったことは間違いない。特に
レッツゴードンキが速い時計となった理由は3F目11.5秒。3F目の区間ラップとして11秒台をマークすることは珍しくないが、さすがにこの時計は立派。状態の良さも示しているのであろう。
速い時計組で動きが目立ったのは、
京都記念に出走予定の
アクションスター(栗東・音無秀孝厩舎)。
クランモンタナとの併せ馬だったが、ラスト1F標識手前で相手が脱落。それでもいい表情でゴールを目指して、時計は4F50.8~3F37.7~2F25.2~1F12.8秒。数字自体は極端に速いわけではないが、明らかに前走よりも上昇。7歳という年齢を考えると、馬券的にどうかとなるが、状態に関しては本当に申し分ない。
時計は普通でも動きに余裕があったのは、
共同通信杯に出走予定の
ムーヴザワールド(栗東・石坂正厩舎)。
ヴィッセンとの併せ馬だったが、手応えは終始楽。1月18日から毎週1本のペースで追い切っているが、時計はすべて4F53秒台。しかし動きは今週が一番余裕があって、追えば時計が詰まる印象もある走りだった。もちろん追って本当に時計が詰まったかどうかは休み明けだけに判断の難しいところ。追い切り本数的には少ないだけに、現状でどこまでの走りを見せてくれるか楽しみ。
先週の馬場差が「-0.4秒」。今週も先週同様に時計は出やすい。これは積雪のあった9日に関しても同じ。よって馬場差は8日、9日とも先週と同じ『-0.4秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
8日。追い切りを見ている感じでは緩慢な動きというよりも、馬場を気にしてしっかり走れていない馬がいたのだが、全体的な時計の出方を見ると、先週以上に速い時計が出ているという現状。
しかし、
ウエスタンレベッカ(栗東・崎山博樹厩舎)の単走追い切りはスピード感が十分だったし、
アドマイヤロブソン(栗東・
友道康夫厩舎)も3頭併せも最内から抜群の伸びを見せており、これらの時計が速いのは走りやすい馬場というよりも、馬自身の状態がかなり良いと考えたいところ。
9日。冒頭にも書いたように、ハローが終了した直後の時間帯なら積もった雪も薄く、走ることに影響はなかったが、それからまもなくすると厚めに雪が積もるため、かなり走りにくそうにする馬が目立った。もちろん乗り手が無理していないということもあり、なかなか速い時計は出ていない。
先週2日の馬場差は「-0.5秒」。8日は全体的な時計を見渡すと、先週よりも走りやすい馬場と判断するしかない。よって『-1.0秒』の馬場差で記録。9日に関しては、時間帯の差はあるものの、積雪の影響を受けていると思うだけに『-0.5秒』で馬場差を記録した。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週のDコースは7日に積雪はあったものの、8日の追い切りでは芝馬場、ポリトラック馬場ともに使用されている。芝馬場はかなり走りにくそう。馬場差に関しては、8日、9日とも『+1.0秒』とした。
ポリトラック馬場はいつも通りの少ない頭数。あまり速いところをやっていないこともあり、時計自体はあまり出ていないが、
メイショウヤマホコ(栗東・藤沢則雄厩舎)など、ポリトラック馬場の常連がいつもと同じような時計を出している。よって馬場差は8日、9日とも『-1.0秒』で馬場差を記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)