「弥生賞・G2」(5日、中山)
前日に落馬負傷から復帰した福永が、いきなり決めた。父譲りの切れ味を発揮した1番人気の
カデナが直線外から一気に突き抜けてV。
京都2歳Sに続く重賞連勝で
皐月賞(4月16日・中山)の有力候補へと躍り出た。
ディープインパクト産駒は10年から8年連続のJRA重賞制覇。8番人気で2着の
マイスタイル、5番人気で3着の
ダンビュライトまでの上位3頭が、
皐月賞の優先出走権を手にした。
自慢の決め手を発揮して試走は完了。本番と同じ舞台で
カデナが大きく夢を膨らませた。
課題をあっさりクリアしての完璧な内容だった。スローペースの流れを序盤は中団やや後方から追走。向正面で外から
コマノインパルスが動いた時につられそうになったが、福永は「しっかりと我慢してくれて、うまく脚がたまった。でもスパートするのが少し早かった」と苦笑い。
馬なりでポジションを上げながら直線へ。ここで温存していた末脚が一気に目を覚ます。先行するラ
イバルたちを並ぶまもなくかわし去ると、最後は逃げ粘る
マイスタイルを半馬身とらえてフィニッシュ。過去4戦同様、今回もメンバー最速(タイ)の上がり(3F34秒6)で仕留めた。
自らの手で復帰を祝った。2月5日の
きさらぎ賞で落馬し、左肘内側側副靱帯を損傷。前日の阪神で1カ月ぶりにカム
バックし、13戦目での初勝利を重賞で決めた。「休む前よりいい状態で臨めた。でも結果を伴わないといけなかったからね。勝てて良かった。
カデナに助けられました」と笑みがこぼれた。
今回は
京都2歳S制覇以来、3カ月半ぶりの実戦。戦前には不安も抱いていた。「正直、調教の動きからはもう少しかなというのはあった。それに折り合いがどうかという心配も」。だが、調教騎乗復帰後は可能な限りコンタクトを取り、最終追い切りにも騎乗したことが大きかった。「うまく関係を築けた。ボクのことを分かってくれたようで、落ち着いてレースに臨めた」と胸を張った。
重賞連勝の勢いに乗って
皐月賞へ。「きょうみたいな大ざっぱな競馬では通用しない」と気を引き締めつつ、「もっともっと良くなる」と上積みも強調した。ユーイチにとっても悲願の
皐月賞&ダービー制覇が懸かる春。一戦ごとに絆を深める相棒とともに大舞台へ挑む。
提供:デイリースポーツ