「第38回東海S」(G2・24日・中京・ダート1800メートル)は、先行した2番人気のオーヴェルニュが直線抜け出し、3連勝で重賞初制覇。フェブラリーS(G1・2月21日・東京・ダート1600メートル)への優先出走権を手にした。これで16年連続JRA重賞制覇となった川田将雅騎手(35)、JRA重賞通算6勝目の西村真幸調教師(45)はともに同レース初勝利。2着に7番人気のアナザートゥルース、3着に12番人気のメモリーコウが入り、1番人気のインティは12着に沈んだ。
強気の好位追走も、しっかり脚はたまっていた。川田が騎乗するのは一昨年9月から昨年1月までの3戦連続騎乗(2勝)以来7走ぶり。担当の梅内助手は「テンに力むところがある馬を、開眼させてくれたのが将雅だから」と、この馬の性格を踏まえて、今回の騎乗を期待していた。
西村師も「(下級条件で)足踏みしていたとき、インに突っ込んであかなかったりしていたが、将雅は『それを覚えさせた方がいい』と言ってくれていた。将雅の乗り方が合っていたね」と、鞍上に感謝した。
川田は「流れは速かったですが、手応えよく追走できました。コントロールの難しい馬だったので、条件の上がる方がペース的にその分、競馬がしやすくなるということだと思いました」。馬に合わせた騎乗だったというコメントだが、1年前に先を見据えて打った布石を自ら回収した形だ。
梅内助手は男社会の極みだった厩舎社会に、女性として道を作ってきたパイオニア。多くの厩舎陣から、しっかり乗れる人と一目置かれる。
ただ、1993~95年にアラブのシゲルホームランで、アラブ重賞だったセイユウ記念3連覇があるものの、サラブレッド系レースの重賞は未勝利だった。「33年、長かった」と笑うが、おそらく次はフェブラリーSで「初G1勝ち」のチャンスが待っている。
西村師は「ジョッキーが乗れるか確認しないといけないし、オーナーとも相談。行くならいい状態で使わなければならない。(梅内)栄子さんが丁寧な仕事をしてくれるから、そこは心配ないんだけどね」。
20年は牝馬がG1を席巻した。21年のJRA・G1は、別の意味の女性の活躍で幕を開けるかもしれない。
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