「放牧地で衰弱した馬がいる」
26日夜、高岡市の放牧場で動けなくなった競走馬を地元の人や動物愛護団体が保護する様子にKNBのカメラが密着しました。
Qどういった状態ですか
「どういった状態って…瀕死の状態」
Q輸液してっていう
「そうです、水分補給です。普段飲んでないので脱水状態です」
立ち上がれないほどに衰弱した馬を、介抱する獣医師や動物愛護団体のメンバーたち。
26日夜、立山町にある乗馬の屋内練習場には、1頭の馬の命を救おうとする人たちの姿がありました。
動物愛護団体などによりますと、26日夕方、高岡市戸出町にある80代の男性が管理する放牧場で馬が衰弱して倒れているのが見つかり、獣医師らが駆け付けました。
この馬は、今月、県内を襲った大雪が放牧場に降り積もったため屋外で身動きが取れなくなっていました。
その様子がSNSに投稿され「馬を救ってほしい」などの書き込みが相次ぎました。
今月13日、相談を受けた県の担当者などが現地を訪れ、管理している男性に馬を雨風がしのげる場所に移動させるよう指導。協力して除雪を行い、馬を小屋へ戻しました。
しかし26日、馬は再び屋外に出された状態で、衰弱していました。
管理する男性は、取材に対し「馬は寒さに強い動物で競走馬は動かさないといけないので小屋から出したり入れたりしていた。弱っていたという認識はない」と話しました。
救命を始めて6時間後。
馬はベルトで介助されながら立ち上がりました。名前は、レイズアスピリット。10歳の牡馬です。
中央競馬で勝ったこともあり、去年9月までは、金沢で走っていた現役の競走馬です。去年末から高岡の放牧場で休養していました。
今回、管理の仕方に大雪の影響が重なり衰弱したとみられます。
レイズアスピリットは、27日朝、介助するベルトを外してもふらつくことなく元気に歩くまで回復したということです。
地域の人や動物愛護団体、乗馬関係者などの努力で競走馬の命は救われました。一方で、動物をどう管理し守るかという課題が浮き彫りになりました。
今回、管理する男性に悪意はなかったかもしれませんが、競走馬は瀕死の状態に陥りました。動物に対する虐待の疑いがある場合、行政は、改善指導を行います。
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