昨年の
スプリンターズS(GI)の勝ち馬、
レッドファルクス(牡6・美浦・
尾関知人)が得意の中京でもGI制覇を狙う。同馬を管理する尾関調教師の共同記者会見が、美浦トレーニングセンターで行われた。
(今年初戦がGIとなるが、前走後の調整過程は?)
「
香港スプリント(GI・12着)の後、帰ってきて疲れが見られました。もしかしたら
香港スプリントより前の3戦、頑張ってきた中での見えない疲れがあったのかもしれません。そういう意味でも、考えていた以上にダメージがありましたし、この馬自身左回りの方が良い馬なので、
オーシャンSを使うのが良いのかどうかというのもありましたから、体調面も含めて総合的に判断して、高松宮1本という形にはなりました。
香港スプリント後は、最初に休養したミホ分場とその後立ち上げてもらった山元トレセンでケアをして頂いたので、良い状態でここまで来れたと思います」
(トレセンに帰厩してからの調整過程は?)
「調教を重ねていくとどこかしらでトモなどに少し疲れが出るタイプだったのですけども、今回に関してはそんなにそういうところも見られず、順調に1本1本追い切りを重ねてきました。いろいろな経験を重ねてきて、馬体的にも成長してくれているのだと思います」
(最終追い切りについて)
「クラスは下ですが調教で動く
アースコレクションと先週併せ馬で追い切って、だいぶスイッチが入ったかなという感じでした。今日の追い切りは昨日の雨もあったのでどのコースにしようか悩んだのですが、ウッドチップコースでやりました。1、2年前ならモタモタしていたところもあったのですが、今日は終いも良い反応で動いてくれました」
(同じ3か月振りとなる昨年の
スプリンターズSとの違いは?)
「トレセンに帰ってきてからは、同じような感じで進められていると思います」
(ということは勝利の可能性も高い?)
「この馬がいかに気持ち良く力を発揮できる状態に持っていけるかを考えながらやってきて、それに近づきつつあるのかなという感じです。これは完全に私見なんですけど、
スプリンターズSは正直、プラス
アルファがいろいろないと勝てないと思っていましたが、それがうまくいってGIウイナーになることができました。
高松宮記念に関しては、中京競馬場というコース的なことを考えると、この馬が普通にしっかり走れる状態を作れば良いというイメージです」
(滅法強い中京競馬場だが、自信は?)
「中京競馬場は左回りなので結果が出ています。ただ昨年の
CBC賞(GIII・1着)の時は多少暑くもなってきていましたし、調子も絶好調とは言えないと思って送り出したのですけど、競馬場の装鞍所に来た時にすごく馬が元気になっていて、本当に中京競馬場が好きなんだなという感じがしました(笑)」
(相手関係については?)
「あまり他の馬のことは考えずに…。去年、一昨年と
高松宮記念に出走させたいという思いはあったのですけど、どちらも賞金で全然足りませんでした。
CBC賞を勝ってからここを目標に考えてきて、今回ようやくたどり着きましたので、この馬自身の競馬をさせられるようにできれば良いと思います」
(2つ目のGI制覇に向けての思いは?)
「ここまでのス
プリント路線を考えても、無事に競馬に出走するというのが1番だなというのを改めて感じさせられた部分もありますので、そのあたりも片隅に置きながら、しっかりやっていきたいなと思います」
(この馬が尾関厩舎の大黒柱的な存在に?)
「去年まで5年間、
高松宮記念に出てくれた
サクラゴスペルが一線級を退いたので、それを引き継ぐように頑張ってもらいたいですね」
(取材・写真:佐々木祥恵)