「
高松宮記念・G1」(26日、中京)
主役不在のス
プリント界に新星誕生だ。桶狭間の電撃戦を制したのは5番人気の
セイウンコウセイ。稍重の馬場も苦にせず直線を力強く伸び、重賞初勝利をG1で飾った。導いた代打騎乗の幸は08年
ファイングレイン以来9年ぶり2度目のV。2着には2番人気の
レッツゴードンキが、3着には1番人気の
レッドファルクスが入った。
馬場の真ん中からグイッとひと伸び。5番人気の
セイウンコウセイが、混戦ムードのス
プリント決戦を鮮やかに制した。道中は4番手の内でじっと控え、直線で外へ進路を促されると抜群の手応えで一気に先頭へ。急坂でも脚は鈍るどころか力強さを増すばかり。後続の追撃を寄せ付けず、G1初挑戦初勝利を果たした。「強かったですね。4角を回る手応えが良過ぎて、早めに抜け出し過ぎたかなと思いましたが、よく耐えてくれました」と幸は相棒をたたえた。
ソエや化骨の遅れが素質の開花を遅らせていたが、昨年3月に初勝利を挙げると、そこからほぼ1年でG1ホースになるというスピード出世物語。初コンビ・幸の熱心な仕事ぶりも光った。1週前に美浦へ出向いて調教騎乗。今週末は土、日曜とも中京で騎乗し、雨によって変化する馬場の様子を見定めていた。「素直で乗りやすい馬ということはよく分かりましたね。馬場が悪いのも得意と聞いていたので、特に気にすることなく先行しようと決めてました」と胸を張る。
07年
マイルCS(
ダイワメジャー)以来のG1制覇を果たした上原師は「手前を変えるともう一つギアを上げて伸びてくれるので、4角を回ったときには勝ったと安心して見ていた」と満面の笑み。今後については「オーナーや馬の状態との相談」と話すにとどめたが、「お利口な馬。レースまでおとなしくて、ゲート裏でガッと入る」と、オンとオフを切り替えられる気性を強調した。まだ走ったことのない、マイルへ適応する可能性も十分ありそうだが果たして-。桶狭間でひときわ輝きを放った4歳の新星が、今後は主役として短距離路線を担っていく。
提供:デイリースポーツ