目の輝きが違っていた。ダービー初騎乗を終えた高倉と松若。未知の世界だった競馬の祭典は、想像をはるかに超えるレースだった。
キョウヘイに騎乗して12着の高倉は「全然、違いました。乗る前はほかのG1とそう変わらないのかなと思っていましたが、ダービーには特別感がありましたね」と、しみじみと振り返っていた。
アメリカズカップで17着だった松若も「すごい盛り上がりで、すごい雰囲気の中で競馬をさせてもらった。いい勉強になりましたし、“もっと頑張ろう”と言う気になりました」と言葉に力を込めた。ともに結果を出せずに悔しさは残ったが、全てのホースマンが目指す夢舞台で得た経験は、何物にも代えがたい無形の財産として胸に刻まれたのだろう。
2人は異口同音に、「また乗りたいですね」と、早くも来年に向けて意欲を示していた。1年後に向けた戦いは、既に始まっている。まだ、ともに20代。日々、心技体を磨き、さらに進化した姿で、再びダービーに帰ってきてほしいものだ。(デイリースポーツ・大西修平)
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